マーラー
交響曲第3番ニ短調
合唱:東響コーラス(合唱指揮:冨平恭平)
東京少年少女合唱隊(合唱指揮:長谷川久恵)
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
指揮:ジョナサン・ノット
大人の演奏。そんな感じのコンサートでした。
マーラーの中でももっとも長大な作品。
演奏する方も集中力が必要だけど、聴く側もかなりの集中力がないと聴けません(泣)
そんな長大で時として散漫になりがちなこの交響曲を最後までダレることなく纏め、会場に至福の時を与えたノットさんの統率力及び東響の集中力は凄いとしか言いようがありません。
感動を通り越し、オーケストラ芸術の極みを垣間見たような気がします。
もちろんオケだけでなく、藤村さんの素晴らしい声がこの交響曲に花を添えたのは言うまでもなく、東響コーラス及び東京少年少女合唱隊の清らかで美しい歌声も本当に素晴らしかったです。
児童合唱はサントリーホールのRDブロックに配置し、オケ・女声合唱・児童合唱で立体的な音響を作り上げたノットさんの見識には脱帽。
但し、児童合唱後方で聴いた方(その内のひとりです)は、児童合唱が近くなのでその声量が目立ってしまいオケ・女声合唱との距離感のバランスが中央ブロックで聴くノットさんが想定した音響効果の恩恵に完全に授かれなったのは、残念。
この辺りは、こういった特殊な配置だと聴くポイントに左右されるので、難しいところ。
オケは、ヴァイオリンを左右に振りわけ、低弦を舞台下手に配置した対向配置。
オケの配置もサントリーホール2階後方から見ると美しい。
美しい配置は、美しい音楽を生むとまで思ってしまいました(笑)
これもノットさんの計算??
だとするなら本当に凄い指揮者です♪
合唱部分から終楽章のLangsam. Ruhevoll. Empfunden.に入る所は、天上から音楽が降り注いでるのではないかと一瞬感じたくらい素晴らしく、このままこの演奏が永遠に続いて欲しいと願うばかり。
長大な曲だし、難曲ですからオケの疵などあったかもですが、それよりオケの情熱が上回り、殆ど気にならなず、コンミスの大谷さんの随所に現われるソロにうっとり。
打楽器奏者の方が第1楽章終盤で表舞台から舞台裏への猛ダッシュして小太鼓叩く離れ業も披露!!
第3楽章の舞台裏ポストホルンも美しい♪
全体的に東響のメンバーの意気込みが伝わる演奏でした。
ただマーラーの第3番は、普段から殆ど聴いたことがなく、自分自身がこの曲をあまり理解していないので、途中散漫な聴き方になってしまいこの素晴らしい演奏を心底楽しめなかったのも事実です(あとコンサートのハシゴで集中力を欠いていたのもあるかも)。
こういった大曲は万全な体調で望まないとダメですね。
さてこの素晴らしいコンサートに苦言を一言。
最後の最後にノットさんがタクトも下ろさず、まだオケに余韻が残っている中、フライング拍手はせっかく余韻が台無し。。。
あの終わった間って本当に大切なんですよ。
あそこで暫く拍手がなく、パラパラと拍手が起こりやがて盛大な拍手とブラボー。
名演がレジェンドになる瞬間。
間ひとつで名演が台無しになる場合もあるので、このタイミングは本当に大切。
それが中途半端なパラパラ拍手に会場内が呆気に取られ、一瞬でも白けた感が出てしまったのは、本当に残念。
拍手した方には、悪気はなかったと思うんですけど。。。
フラ拍手以外は、こんなに静かなサントリーホールは、稀ではないかと思うぐらい皆さん静かに聴いてました♪
途中周りの方の集中力の凄さに息が詰まりそうになったくらい(笑)
終演後、ノットさんに対する歓声は凄い!!
スタンディングオベーションするコンサートって日本フィルのラザレフさんですらないかも。
都響とインバルさんがこんな感じの熱狂だったような。
ともかく熱狂の度合いが違うのに驚きました。
多くの聴衆からこんなにも敬愛されるノットさんと東響まだまだ蜜月の関係は続くとのこと。
これからも素晴らしいコンサートが期待できそうです♪
2015.9.12(SAT)
18:00 サントリーホール