「学歴(educational background; academic background))」と「親の所得(income)」の関係が取り沙汰されることがある
この2つの関係を短絡的にとらえてはならない、と思う
塾代を親に出してもらったら、その子はあとはのうのうとしていてもいい大学や高校に入れる、というわけではない
お金より、本人が死に物狂いで頑張ったこと(efforts)の方が、学歴には遥かに大きな影響があり、関係(correlation)は親の収入より遥かに強い
親の収入と子どもの学歴の関係は、まったくの疑似相関(spurious relationship, spurious correlation)だとまでは言わないが
※ spurious : あやしい、いかがわしい(スプリアス)
「消防車のサイレンが聞こえたら火事」だと言っているのと大差はない
塾代を気軽に払ってもらえるのは有利な環境に違いない
しかし
「親の収入」と「高学歴」だけをとりあげ、この2つを単純にくっつけただけの論説はもうやめたほうがいい、だからとあきらめムードを醸し出すような論調はもはや害でしかない
どうしても何かの相関関係をいいたいなら、子どもの教育に対する親の意識を取りあげた方がよほど意味があるし、世の中にもプラスになるのではないだろうか
親に経済力がある+子どもの教育に対する関心が高い+親に教養がある+教育投資をする+子ども自身が努力するor才能(talent)がある→子どもの学力が高い
親の経済力と子どもの学歴を結びつけたいなら、どんなに単純化してもこれ以上は単純化できないのではないだろうか
途中どれかが欠けたら高学歴はその分遠のく
金持ちのボンボンで塾に通わせてもらって低学歴というのはたくさんいる
最大のボトルネックは最後から2つめの「子どもの努力と才能」なのだ
ただし、低学歴だからといって役立たずやぼんくらとは限らないことを付け加えておきたい、反対に高学歴でも会社で活躍できない人がたくさんいるのは周知の事実だ
「親が高収入→子どもは高学歴」をいつまでも言っているのは
他人の意見を鵜呑みにする、深く考えない、諦めている、第三者的、無関心(indifferent)、教養のない金持ちあたりだろう
ただし「親が高収入→子どもは高学歴」という傾向があることは否定しない