盆栽キング号に履かせているカンパニョーロ・Zondaホイール。
少し前の規格のシクロクロス用フレームに組んであるので、前後ともクイックリリースシャフトタイプだ。ディスクブレーキ仕様なのでエンド幅はフロントは100mm、リアは135mm。
5月連休中に自転車関連の情報をネットで見ていて、このホイールをスルーアクスルに対応させることが出来ることを知った。フロントはハブの両サイドにはめてあるカラーを外すだけで対応出来るらしい。リアは違う仕様のカラーに付け替える必要があるようだ。
このカラーを買っておけば、このZondaホイールをグレートパンダ号に組み付けることも出来るわけだ。v(∩_∩)
グレートパンダ号にはカンパニョーロのBORA ONEというカーボンホイールをおごっている。レースをする人だったら決戦用に使うようなホイールだ。
オイラはメタボチャリダーであり、レースとは無縁。だから、ある意味、週末にちょろちょろ乗るメタボライディングが本番みたいなものだ。
そんなこともあり、どうせいつかは物欲に負けるのだからと中途半端なホイールではなく、ハイグレードなものを投入したのだ。(^_^;
このホイールを普段履きするのは非常に贅沢ではあるが所詮は自己満足の世界なのでこれで良いのだ。(´ー`)┌フッ
話を戻すと、そのカラーを注文しておいた。万が一BORA ONEを壊してしまったときにはZONDAを使うことが出来るようにだ。
その場合は盆栽キング号用には鉄下駄クラスだがshimanoのホイールを1セット持っているのでそれでOKだ。
だが、そのショップのサイトを見ているうちにカンパニョーロホイールに使われているベアリングには3つのグレードがあることを知った。
スタンダード、USB、CULTという3種類だ。
スタンダード:通常の内外輪とボールのすべてがスチール製。いわゆる普通のベアリング。
USB(ウルトラ・スムース・ベアリング)←何ともベタなネーミングだ。:内外輪はスチール製だがボールにはセラミックが採用されている。
CULT(セラミック・アルティメット・レベル・テクノロジー)←これまた何ともというネーミングだ。:これは内外輪に特殊処理?をしてあり、グリス潤滑で保護しなくても大丈夫というもの。もちろんボールはセラミック。
これでぴんとこない人のために少し補足しておこう。
セラミックは非常に固く剛性が高いため、スチールボールと比べるとミクロレベルでの変形が格段に少ない。だからセラミックボールを採用すると転がり抵抗が格段に下がるというわけだ。
だったら内外輪もセラミックにすれば良いじゃんと言いたいところだが、ベアリングの転動面、しかも薄肉のリングをセラミックでつくるのは至難の業である。だからUSBもCULTも内外輪の材質はスチールのままなのだ。だが、スチールはセラミックよりも柔らかいこともあり、ボールに負けて摩耗してしまうのだ。だからUSBはグリスによる潤滑が欠かせないのだ。
だが、ベアリングの回転抵抗の原因となるグリスが無くても済むように特殊処理?(たぶん窒化処理の類いだと思う)を施し、表面硬度をあげて耐摩耗性を向上させた内外輪を採用しているのがCULTなのだ。
ためしにCULTベアリングについて検索してしらべて見ると、あちこちのショップでベアリングの打ち替え=CULT化をして居るという話がヒットする。スルスル回るらしい。
もっとも冷静に考えると、通常の走行時の抵抗のほとんど全てが空気抵抗である。そしてタイヤのつぶれ変形による抵抗もずっと小さいがそれなりにある。そして最後がクランクやホイールベアリングなどの回転部分の抵抗となるのだが、これらはごくごくわずかだ。
だからCULTベアリングがフルスチールのベアリングに対して、いくらスムーズであってもトータルの抵抗の中に占める割合は極わずかだから、効果を感じることは無いだろう。(苦笑)
しいて言うならば足を止めたときの進み具合や下り坂での速度の乗り方にもしかしたらわずかな差を感じられるかもしれないと言うレベルだろう。。。
オイラは技術屋だ。そんなことは百も承知だ。
だが、高まる盆栽欲を押さえきれずに、散々迷った末にホイールベアリングの打ち替えに必要な工具をそろえてしまった。(^_^;
そしてそこは煩悩の赴くままに結局、CULTベアリングも買ってしまった。(爆)
ちなみにネットで検索してヒットする組み替えネタはほぼ全てがリムブレーキ仕様のBORA ONEにCULTをインストールしたという話だ。
オイラのはディスクブレーキ仕様なので前後とも同じサイズのベアリングを入れることになる。
この点を間違えると高いCULTベアリングが無駄になる。(苦笑)
買ってしまった以上はインストールせずには居られないのは人情というところだろう。。。
バキッ!!(-_-)=○()゚O゚)アウッ!
早速やってみた。
はじめに汚したり、変形させてしまうと困るのでまずはブレーキディスクを取り外しておく。
ハブのベアリング周りのメンテナンスは先日ひと通りやってみたので問題はない。
シャフトを抜き、内輪とボールベアリングを外せば後はハブに圧入されている外輪をとるだけだ。
しかし、これがひとつ目の難関となる。
いわゆる内掛タイプのベアリングプーラーがないとどうにもならない。
仕方ないので信頼できそうなものを買ってみた。
しかし購入したプーラーは内掛けのスライドハンマータイプ。作りはしっかりしているのだがホイールのハブをきちんと保持できない状態で少々力を入れてスライドハンマーを動かしても抜けそうな気配が全く無かった。orz
衝撃がハブからホイール全体に伝わるせいか、ものすごくでかい音がするというのも精神衛生上あまりよろしくない。(爆)
そこで二重投資となってしまうが通常タイプの内掛けプーラーを買い足した。
こっちはかなりクオリティが低い安物だったので少々不安だったが、何とか抜くことは出来た。v(∩_∩)
高さ調整がそのままでは合わないため、ダミーのナットを噛ませたりして調整する必要はあったが、アジャストしたあとはあっけなく抜けた。v(∩_∩)
所詮、鉄製とはいえ肉厚の薄い転動輪の圧入荷重なんてたかがしれているのだ。(´ー`)┌フッ
赤丸で囲んだ銀色のわっかが抜けた外輪だ。
ベアリングの圧入深さが左右で違ったりしてその都度、高さの調整は必要だったが抜く作業そのものは特に問題ない。
ちなみにもともとBORA ONEについているのはUSBだ。
USBのダストシールがグリスで汚れているため色味が違うように見えるが同じものだ。USBとCULTでは違うのは内外輪だけだが見比べれば表面処理の影響か、わずかに見た目の印象が違うが単品で見たらまったく区別はつきそうに無い。(苦笑)
外したブツとこれから組み込むブツを混ぜないようにしないとね。(´ー`)┌フッ
次の難関はCULT用の外輪の圧入だ。
これまた各種サイズのベアリングを圧入する工具も購入済みだ。(爆)
実はここで間抜けな失敗をしてしまった。
圧入時の押しつけカラーサイズの選定を間違えてワンサイズ小さいものを使ってしまったために外輪を斜めに圧入してしまったのだ。
仕方ないのでもう一度抜いてからやり直したのは言うまでも無い。正しいカラーを使用すればこれまたあっけなく圧入できた。
きちんと奥まで打ち込んだつもりだが慣らし走行をしたあとに玉押しの再調整をした方がいいらしい。外輪の圧入深さがわずかに足りなかったりした場合、走行時の衝撃などで奥に入る場合があるのだろう。それに内輪とシャフトの嵌めあい部分のなじみという要素も有るだろう。
確かにホイールを回すと滑らかさに違いがある。回転の軽さの違いはほとんどグリスを充填しなかったことに寄るものだろう。。
それでも内外輪はスチールなので錆防止のためにうっすらなぞる程度のグリスはつけた。
そしてダストシールはゴムなのでこれも摺動する面とリップにはグリスをつけた。いずれもグリスのついた指でなでてやった位だが。(苦笑)
玉押しは週末に少し走ってから再調整しよう。。
それから外したベアリングはUSBなので内外輪はスタンダードだがボールはセラミックだ。
これはそのうち上述のZondaホイールに移植しよう。Zondaはスタンダードなのでボールだけを入れ替えればUSB仕様となる。v(∩_∩)