西山名
を出ると、列車は再び一面に広がる田園の真っ只中を、ただ真っ直ぐ進んでゆく。
警報機も遮断機も無い第4種踏切が途中に点在し、そこを通過する随分手前で警笛が鳴らされる。
そして列車は次の駅に停車する。
「馬庭駅」
地元の人でなければ読み方が難しいかもしれない。
「まにわ」と呼ばせている。
島式ホーム1面2線と、木造駅舎を有する駅。
上下列車の交換がこの駅でも可能である。
ホームと駅舎は構内踏切で結ばれている。
先ほど訪れた「山名駅 」とよく似た印象を受ける駅だ。
そしてこの駅も、日曜日は無人駅になるようだ。
ここは群馬県立吉井高校の最寄駅となっており、私が訪れた当時、女子学生の姿をちらほらと見ることができた。
なんでも、その高校は学生から、駅名にちなんで「まに高」と呼ばれているらしい。
駅周辺には民家と畑が点在する。
木造駅舎の良い雰囲気も手伝って、例外なくのどかなひと時が流れる。
これで上信線の全駅の3分の1を下車したことになるが、内心は既に満足できる内容である。
しかしこれからが上信線の真骨頂だ。