丸山変電所を後にした私は、碓氷峠に向かって、再び上り坂が続く遊歩道を突き進みます。
途中で、トロッコ列車「シェルパくん」とすれ違うタイミングがあり、私はカメラを片手に、そしてもう片方の手でトロッコ列車に向かって手を振るのでした。
そして丸山変電所から10分余りで、シェルパくんの終点、「とうげのゆ」駅に着きました。
ここには日帰り温泉施設「峠の湯」があるのです。
しかし大変残念なことに、平成25年7月31日未明、この施設は火災に見舞われ、施設は半焼してしまいました。
けが人がいなかったという事は不幸中の幸いですが、それ以降は休館を余儀なくされています。
この施設はアプトの道を歩く人たちにとっては憩いの場として利用されていただけに、一刻も早い営業再開を願うばかりです。
(写真は、改修中の「峠の湯」施設)
アプトの道はさらに続きます。
アスファルトで舗装された区間はここまで。
途中、幾重にも連なるトンネルを抜け、
碓氷湖の絶景を見渡したり、
そんなこんなで30分以上は歩いたでしょうか…?
気持ちは良いけど、時間が経つにつれて日差しが徐々に強くなってくる。
トンネル以外には日光を遮るものは全くなく、帽子代わりにハンドタオルを頭にターバン状に巻きつける
(これが私の夏の鉄活スタイルになっています。帽子が全然似合わないもので(^▽^;))。
それでも66.7パーミルの急勾配を上り続けるという行為も重なって、吹き出る汗の勢いは衰えを見せない。
数えて5つめの長めのトンネルを抜けると、何だか大きな橋の上に出てきました。
そう、この橋こそが、「鉄道スペシャリストが選ぶ鉄道遺産ランキング」第一位に輝く(「旅と鉄道」2012年7月号より)、
「碓氷第三橋梁」、通称「めがね橋」です!!
下からめがね橋を見上げると、そのレンガ造りの雄大な姿には圧倒されます。
長さは91m、高さは31mで、わが国最大規模のレンガ造りのアーチ橋ということですが、それにしても100年以上も前にこのような立派でスタイリッシュな建造物がつくられたなんて、にわかに信じ難い事です!
めがね橋の上から北側を望むと、はるか彼方に信越線の新線の廃線跡が見られます。
そして私はめがね橋をも後にして、さらに奥へ奥へ進んでゆきます!!
再び現れる幾重のトンネルを抜け、その先にあった物は、巨大な廃墟…
これこそが今回の旅の最終目的地、「熊ノ平駅」跡です。
横川~軽井沢の区間が開通した当初、ここは給水給炭所として設置されましたが、ほどなくして駅に昇格。
しかし大正時代に大規模な脱線事故、そして戦後間もない頃に大規模な土砂崩れに駅が巻き込まれるという2度の悲劇が、ここ熊ノ平で起きてしまったのです。
その悲劇で多数の命が奪われることになり、今では駅のそばに慰霊碑もたてられています。
昭和40年代に熊ノ平は信号場に降格。
そして横川~軽井沢の区間が廃線となったと同時に、この信号場も廃止となりました。
(ちなみに廃墟となっている白い建物は、変電所跡です)
さて、アプトの道もここで終点!
熊ノ平駅はアプトの道の折り返し地点となっているのです!
私はさらに欲張って、このまま軽井沢まで歩いて行ってやろうか!?
と思ったのですが…
国道18号(旧道)まで降りて行ってみると、
「碓氷峠 7.0km」の案内…
国道に歩道も無さそうだし、この時点で相当足にも負担がかかっている…
あきらめてアプトの道を引き返すことに…
これにて、「アプトの道」完全制覇!!
全長約13kmの道のりは長かったですが、制覇した後の達成感は言葉では言い表せないものですよ!
(翌日から3日くらいは筋肉痛が抜けませんでしたが…)
オマケ:
アプトの道制覇後、横川駅に戻るとこんな子がいましたよ(・ω・)b
この日は、信越本線にD51クンが走る日だったのですね!
どおりで、横川に来るまでかぶりつきで乗ってたら、たくさんの撮り鉄がいたわけだ!
でも…
個人的に私は…
この子の方が好みだったりします(・・;)