駅訪問の回想:上総亀山駅(JR久留里線) | もこ太郎の平成阿房列車

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No Train,No Life!
生粋の「乗り鉄」がブログを書くとこうなる!!
私が行った鉄道の旅をレポートさせて頂いています!
私のブログをお読み頂いて、鉄道の旅に興味を持って頂けたら幸いです!

私が鉄ヲタになってから丸二年が経過しました。
先ほど、私が今まで訪れた駅(乗り換えの為だけに使用した駅はカウントせず)を一つ一つ数えてみたら、その数は400を超えていました。
随分降りたイメージがあったのですが、日本には一万ほどの駅があり、それと比較すればわずか4%程。 しかしあの初めての旅 以来、思い起こせばいろんな駅を訪れたものだと感じます。


その中で、特に思い入れのある駅を、このような形で不定期で、少しづつ紹介していこうと思います。



第1回目は、JR東日本は久留里線の終着駅、



上総亀山(かずさかめやま)駅



久留里線は、千葉県木更津市の中心、木更津駅が起点の、全長32.2Km、全線単線非電化で全14駅を有する地方交通線。
開業当初は、上総亀山から大多喜を経て、大原駅まで開通させるという、房総半島を横断させる計画があったが、上総亀山より先に延びることはなかった。
上総亀山は、最初から終着駅として作られた駅ではなく、言わば「志半ばにして、望まぬ形で終着駅にさせられた駅」なのである。


漫画「鉄子の旅」「新・鉄子の旅」にてそれぞれ第1話から紹介されているこの路線は、全駅降り潰し難易度も高くなく、首都圏からも容易にアクセスできるローカル線として、鉄の間では非常にポピュラーな路線と言える。
さらに去年、「ホリデー・パス」の代わりに登場した「休日おでかけパス」は、久留里線全線が乗り放題の対象として新たに追加され、人気に拍車がかかった形になっている。


しかしそれと同時に、2012年3月17日のダイヤ改正に合わせ、タブレット閉塞が廃止。
さらに同年12月に路線のシンボル的存在だったキハ30系が新型のキハE130系に置き換えられてしまい、以前の久留里線とは少しづつかたちを変えている。




2012年10月のある日、私は久留里線に初めて乗車した。


木更津から徒歩で隣の駅「祇園(ぎおん)」まで移動してから乗ってみた。
京都でなく、千葉の木更津に「祇園」駅があるのは不自然だと思ったが、小さな木造の待合室だけが存在する、単式ホーム1面1線の駅は好印象を持てた。


もこ太郎の平成阿房列車

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久留里線の主要駅「久留里」までは住宅や主要道路の脇を走り抜けるが、久留里を超えたあたりから山間部を、ディーゼルエンジンを唸らせながらひた走る。
東京から2時間余りで、喧騒からは果てしなくかけ離れた世界に訪れることができる。


終着駅の一つ手前の駅、「上総松丘」駅を経ち、路線に2つ存在するトンネルを立て続けに通り抜け、祇園から1時間余りかけて、列車は上総亀山に到着。
終着駅に到着するときの、この列車がゆっくりとホームに入る瞬間が、「これでこの路線はもう終わりなのですよ」という意思表示も兼ねているようで、とても哀愁を感じ取れて好きである。



列車は完全停車してドアが開く。私はホームに降り立った。


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これが終着駅のホームなのか?と目を疑うほどの、非常に小さな島式ホーム。
島式なのに線路は片方しか使われていないようで、もう片方の線路は完全に錆びている。それどころか線路は途中で切られている。


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ホームの長さも、2両編成の車両がかろうじて収まる程度。

駅名標の写真を撮ろうにも、ホームが狭すぎるため、真正面からの撮影は不可能だった。


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ホームからさらに下り方面に目を向けてみれば、100メートル程先には犬がお座りしたような形の車止めが設置されている。


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ホームを降りて小さな駅舎の中に入ってみる。
今は無人駅だが、少し前までは駅員が在勤していたらしく、閉鎖された窓口にさびれた感じは無い。
自動券売機は無く、乗車駅証明書発行機が設置されている。


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駅舎を通り抜け、駅前の通りに出てみる。
木造の小さな駅舎の向かいには、住宅や商店が立ち並んではいるが、非常にひっそりとしている。
駅の待合室で佇んでいると、周りに住宅がある事を忘れてしまいそうになり、逆に駅から2,3分程歩いてみると、近辺に駅があるとは思えなくなるような錯覚に陥る。


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さらに足をのばすと、千葉県最大のダム湖「亀山湖」があり、湖上でボートが乗れるなど、レジャースポットにも挙げられている。
しかし観光客は車でのアクセスがほとんどなのであろう、私が下車した列車から亀山湖に向かう人はいなかったと思われる。


もこ太郎の平成阿房列車

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それにしても、これほど哀愁が感じられる駅は今まで無かった。
訪れたのが、秋の夕暮れ前の時間帯ということも手伝ったのかもしれない。
次に訪れた時には、同じ哀愁は感じられないかもしれない。


しかしまさに、誰の心の中にでも潜んでいる、故郷にある駅という印象だ。

私が終着駅に求める姿を、この駅は完全に満たしてくれている。


大自然に囲まれた駅というわけではなく、華やかな印象も全く無い駅。
ただ小さな集落の生活に、そのまま駅が溶け込んでしまっているようである。
こう書いてしまうと、何の特徴も無い駅のように思われるかもしれない。
私以外の人間が初めてこの駅を訪れても、何の感動も持たないかもしれない。
しかしそれが最大の特徴とも言える駅なのである。
今の駅の姿が変われば、上総亀山駅の印象はガラっと変わってしまうことだろう。


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私にとって上総亀山駅は、久留里線最大のクライマックス、
そして今までで最高の感動を受けた終着駅であった…


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