当たり前なことは一つもない。

いつも親に言われてきたこと。

家族がいること。

大切な友達や彼氏がいること。

全部当たり前ではない。と

だから、感謝をすることが
大切なのだと言った。

本当にそうかもしれない。

本当に何がふつうで
何が当たり前か分からない。

昨日まで笑って冗談を
言っていた人が
下半身不随。

もうわけがわからない…。

こういう時、神様をうらむべきか
命は救ってくれてありがとう
というべきか
あたしには分からなかった。

でも、生きていてくれて
ありがとう。

心からそう思った。

あたしは自分がしようとした
『自殺』という行為が
どれだけ愚かなことかを
改めて思った。

周りの人のきもちなんて
考えられなかった。

周りにとって
どんなに悲しいことなのかと。

あたしは気がついた。

こんな形で気がつくのも
本当にくやしい。

その人は仕事が生きがいだった。

いつも、
俺のつくったものが
まずかったら
こんなに店が続かないし
客もこない。

と言っていた。

そんなその人を見て
いつも立派な人だと思っていた。

大好きなのは書道で書いた
自分の字を見せること。

店に行くたびに見せてくれて
すごいねえっ!
というと
ニコニコよろこんでいた。

どうか神様
字は奪わないで欲しい。

またあの顔が見たい…。

あたしは色々考えた。

これ以上あの人から
奪わないでほしい。

だから、あたしは好きなことを
一つその人に捧げようと。

あたしの好きなことは
食べることだと思う。

甘いものを食べること。

だから、これから無期限で
断食をしようと思った。

無期限というのは
その人が元気になるまで。
あたしの出来る範囲で。

あたしはこれから
お茶と水しか
口にしない。

ここに誓います。