おはようございます、かしわでです。
前回は、なぜ昔は繰り上がりの足し算が出来なかったのか?という話でした。
私が当時、割り算が授業に導入されて、やはり「言ってることはわかるけど出来ない…」と悩んでいた時、私は算数の先生に質問をしました。
小四私「2×7=14なのは覚えているので、2/14=1/7なのは分かるんですけど、1/7がどんな量なのか想像できません。7つに分けるのは分かるんですが…」
この質問を投げた先生が後の恩師となる先生でした。仮名でO先生としましょう。
O先生「例えば、1/6ならどんな量なのか想像できるけど、1/7だと想像しにくいってこと?」
小四私「いえ、1/6も想像できません。1/2は一応想像できるんですけど、1/3は想像しにくいです。」
O先生「…?……うーん、そしたら、1/6の意味を説明できる?」
小四私「1÷6です。1を6分割します」
O「あ、それは分かるんだね。教科書とかに乗ってる、ケーキの絵ではどうなるか分かる?」
私「1/2なら…」
O「1/4だとどう?」
私「うーん…ちょっと分からないです」
O「そしたら次の質問なんだけど、かしわで君は4っていう数字を聞いて、どんな数か分かる?」
私「えーっと、1、2、3、4。この量です」
そうして指をおって4を数える私を見て、先生は納得されたようで
O「そしたらかしわで君、先生は何でかしわで君が1/4を想像できないのか分かったから、これから先生と一緒に算数の練習をしていかない?」
私の通っていた小学校は田舎にあったので(全学年1クラスしかなく、少ない学年は3人しかいないこともあるほどの高齢化社会でした。)私の相手を沢山してくれました。
O「それじゃあかしわで君、これから、ちょっとだけ発展した算数の話を、君に合わせてするよ。」
こうして、生まれて初めて「楽しい算数の授業」が始まりました。
数のとらえかた
O「かしわで君の素晴らしいところは、例えば割り算とは何かとか、掛け算とは何かみたいな事を想像できてることなんだ。」
私「?」
O「例えば、2×3=6だということを昔習ったと思うけど、これってどういう状態だと思う図で書けるかな?」
私「えーっと…」
O「いいね。ってことはかしわで君は、6ってどんな量?って聞かれてもすぐ想像は出来ないけど、2×3=6だってことは暗記していて、しかも掛け算の意味を理解出来ているってことなんだ。」
私「え、6は分かりますよ。えーっと、1、2、…」
O「あ、かしわで君、それはそうなんだけどそうじゃないんだ。つまりね」
私「え、そんなこと出来るんですか?」
O「できるよ。しかもかしわで君は掛け算について気持ちはよく分かってるから、想像できるようになることは難しくないよ」
私「どういうことですか?」
O「つまり、こう考える」
O「このイコールっていう記号は、2×3の答えはなんですか?っていう記号じゃなくて、イコールの左右にあるものが同じです。っていう記号なんだ」
O「だから、2×3=6っていうのは、2×3と6は同じですよ〜って意味なんだ」
私「ああ〜、イコールの意味まで考えたことはありませんでした」
O「算数っていうのは、2つの物がどんな時に同じになるかって考えるのが楽しみのひとつなんだよ。だからイコールって記号はとっても大事。」
私「うん」
O「だから、6がどんな数かな?と思ったら、頭の中で2×3を想像してみればいいんだよ。」
私「おお〜!すごい!」
O「このやり方は普通出来ないんだけどね…例えばさ」
私「え、イコールって何個も繋げていいんですか?」
O「もちろん!だって、ふたつのものが同じですっていう記号だからね。同じものを書いてるならイコールは何個あっても大丈夫。」
O「さて、かしわで君は5という数字がどんな量なのか、パッと想像できる?」
私「できません」
O「そうだよね。そこで、こう考える」
O「この図を1度書いちゃえば、掛け算と足し算を使って5って数字がどんなものなのか想像できるようになるでしょ?」
私「はい。確かになります。」
O「こういうことを沢山試して、どんどん想像できる数字の量をこれから増やしていこう。」
O「そしたら、かしわでくんはきっと近いうちに1から10までが想像できるようになって、1から100も想像できるようになって、なんでも計算できる人になれちゃうよ」
私はこの日を境に、O先生と沢山自然数の話をするようになりました。
自然数同士の大小関係とその表記に気を払い、想像できる数を拡張し、概念を拡張する。そういう作業を先生とふたりでして、数で遊びまくりました。
そして実際、小四のうちに足し算から割り算までの基本的な演算が想像しやすくなることとなりました。
職員室で受けたO先生のこの授業を忘れることは、生涯有り得ないでしょう。





