実存主義とは何か | 毎日思想・おもしろ出来事出会い系日誌

実存主義とは何か

人間の「主体性」を信じ、「如何にして生きるべきか」みたいな
ことを考えたのが実存主義。サルトルは歴史に参加することを説いたし、
ハイデガーは民族の運命を引き受けることを説いた。

この様な思想は現代では否定されていて、「主体」は存在しない、という
結論になっている。「私」という意識は関係の中で初めて可能になるから。

現代哲学が理想とする個人は、権力や体制に不満を抱きながら、それを
変革しようと積極的に参加する事はせず、それぞれの多様な欲望を
他者を侵害しない程度に果たそうとするものであって、
一時代前の実存主義者よりもすれっからしの無気力な人間像なんだ。

思想がこうだと、自然に大衆も無気力になっていく。ニート問題の
背景は社会全体に漂う無気力感、閉塞感、馬鹿馬鹿しさなんだと思う。
個人が「如何にして生きるべきか」を考えたとしても、社会や世間は
欲望を満たすことしか考えていないのであって、空回りに終わる。
欲望を次から次へと持ち、満たしていくような思考の型に
嵌れなければ、個人は共同性から脱落し、無気力になってしまうんだ。