若者に海外離れ 旅行者減、業界は危機感 パソコンで行った気分? | 毎日思想・おもしろ出来事出会い系日誌

若者に海外離れ 旅行者減、業界は危機感 パソコンで行った気分?

海外に出掛ける日本人の数が低迷している。2007年は約1729万人と4年ぶりに減少し、
来日外国人観光客が4年連続で過去最高を更新しているのとは対照的。危機感を抱く旅行業界は、
4月から「2010年に海外旅行者2000万人」を目標に新キャンペーンに乗り出した。
キーワードは「若者」と「地方」だ。

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 日本旅行業協会が航空会社などに呼び掛けて発足した特別委員会が、新たな
「ビジット・ワールド・キャンペーン」を主導。佐々木隆委員長(JTB社長)は
「初めて海外に行ったとき、強烈な驚きと刺激を受けた。旅行業界が自ら立ち上がり、
関係機関と連携して海外旅行への新鮮な興味を取り戻したい」と決意を示す。

 海外旅行者は2000年の約1782万人をピークに、米中枢同時テロや
新型肺炎(SARS)の流行などで03年は約1330万人まで落ち込んだ。
その後やや持ち直していたが07年にまた減少に転じた。

 出国者数を人口で割った「出国率」を2000年と06年で年齢別に比べると、
50代後半から60代で増加しているのに対し、20代前半で19・8%から
17・1%に、同後半は25・7%から21・1%へと落ち込んだ。

 なぜ若者が海外に出ないのか-。推進委の沢辺宏推進室長は
「パソコン一つで世界中の情報が楽しめる。『頭の中の旅』が新鮮さを奪った」とみる。
推進委は「まず一度は海外の魅力を体感してもらおう」と、個人では尻込みする人も
参加できる修学旅行や職場旅行のてこ入れのほか、若者層向けの海外イベントなども計画している。

 ■地方客にも狙い

 もう一つの柱である地方対策は、定期便とチャーター便の有効活用だ。
07年の出国者は成田空港に55・2%が集中し、関西、中部国際を加えた3空港で
87・9%に達するが、海外便は地方空港にも多く就航しており、伸ばせる余地は大きい。

 地方側も「出国者の増加は、空港の活性化に不可欠」(広島県)などと課題を共有。
推進委は自治体と連携したキャンペーンで、新たな需要の掘り起こしを図る。

 海外旅行者2000万人という思い切った目標設定に「自然体では絶対に届かない」
と佐々木委員長。推進委の企画力と実行力が問われるのはこれからだ。

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