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夏の終わりへ



大文字さん
灯ったえ~


祇園祭で夏が来て
大文字の送り火で夏が逝く

打ち水
風鈴
かき氷

浴衣の後ろ姿は
金魚のような

絞りの兵児帯
ひらひらと

いっちょまえに
赤い鼻緒の
黒塗りの下駄

足が痛いと
駄々をこねたあの夏の日




できる事なら
あの日に戻り

できる事ならもう一度

父と母の真ん中で
手を繋ぎたい

できる事ならもう一度

父との縁が薄かった幼き頃

だから母は
父を残し
先に逝ったのだろうと

けれど
父を求め泣いたのは
幼き日の私

今の私は…
どうなのだろう…

今年も大文字さんに火が灯る

消える頃には
いろんな思いを
空に還してくれる火が

静かに静かに
灯り
そして消え逝く

どうか
これ以上
被害が出ませんように