ありすのブログに
お越しいただき
ありがとうございます


けい…

この子の最期の記憶が
私にはない

両手で包みこめるくらい
小さな子だった

先住猫に
なかなか心を開けず

いつも私にくっついて
いつも私の後ろにいて

それがまた
他の子たちのやきもちを呼び

でも
保護猫一号のべえは
母猫のように
寄り添ってくれた





子猫のまま
大人になったけい

皮膚がただれて
上皮癌ではないかと

痛みと戦い

この子には
じゅうぶんな事をしてやれたのか

してやれなかったのか

記憶が定かではなく

ただ
かすかに

獣医さんから
「抗がん剤はやめよう」と

そんな言葉を聞いたのだけは

覚えている

あることがあり

私はどん底だった

そんな中での
けいとの記憶

きっと私は
自分を優先させたんだろう

その責め苦から
逃げるため
記憶を曖昧にしたんだろう



ごめんね


こんな私を
気遣い


おかあさん
おかあさんの記憶を
消したのは


あたし

あたしよ


そっと
囁いてくれた



ごめんね


早くお着替えを済ませて
戻っておいで

私の愛しい子


ごめんね






遠い遠い記憶

今度は一緒に

辿ろう