素直には
なれません

優しい言葉も
受け入れられません


大丈夫ですか?の
問いかけに


大丈夫じゃなければ
何か手立てはありますか?と

聞き返した私




この何日かの
病棟でのやりとり


急性期の病院としての
治療は
もう何もない


一日に数えきれないくらいの
下痢をして

3日め

食欲もなく

87才の高齢者には
命とりになるのではないかと

何度も看護師さんに
訴え


やっと点滴がはじまった




そして絶食


おまけに
糖尿病による起立性低血圧で

意識を失うも


治療は必要ないと
言い張る主治医



食事を再開しても
ましにはなったものの
下痢は改善されず

血圧も低いまま
体を起こすこともできず


10日過ぎて
やっと

今週半ばに
消化器の先生に相談しますとの
返事をもらった

先週金曜日
副作用が強いから使わないと
言っていた
血圧を上げる薬も

なぜか
その夜から処方されたとか


転院に向けての話は
最初に出た診療情報と

面談時の状態が違うにも関わらず
それを伝えなかった相談員


おかげで
病院同士の間に入り

転院することは
難しく


下痢と
低血圧で
リハビリは
ドクターストップが
かかったのに


それを
転院先には

本人のリハビリ拒否のためと
伝えた相談員


言葉のニュアンスの違いだと
悪びれもなく
言うその人に

胸ぐらをつかみたい気持ちを
押さえ


療養型病院への
転院の打診もしてもらえず


うちに連れて帰るしか
選択肢はなく



腹をくくった

そう腹をくくった

つもりではいたけれど


なんとも言いがたい不安と

なんとも言いがたい
腹だたしさを
残したまま



朝を迎えた



もともとの入院は
尿閉塞

自力排尿が困難なため
バルーンカテーテルを入れたまま

今後は
その生活になるのは
致し方ないと
受け入れた


その後の下痢
低血圧
意識消失は

入院時の病名とは違い
途中で起きたもので

もし
心配ならば
いったん退院してから
外来受診をと
言い放った主治医に

何度も何度も
食い下がった私



決まりですから
制度上…

そんな言葉を繰り返す主治医に


なんで医者になったん?

糖尿病が様々な症状を
引き起こすのは
知っているはず

なんで医者になったん?

高齢者を抱えている家族
病気の人を抱えている家族

そこに寄り添えない

人としてどうなんだか

先生
恥ずかしくない?

入院患者を規則通りの日程で
退院さすのが仕事?


先生だって
本当は
こんなはずじゃないのに

そんな気持ちを抱えながら
仕事しているのかも


そこまで言って
顔を上げたら

うなだれている主治医がいた


日本の政府が描く
医療制度

そこに
ついていけていない現場と
状況

制度を守ろうとやっきになるだけで
改善策を見いだそうとしない


私には
難しいことはわからない


けれど
私には

そう感じた


考えれば考えるほど
深い深い
坩堝の中に落ちていくような

そして
這い上がれないような
そんな感覚になった


行きつ戻りつ

これが今の私


介護は
医者や看護師が思うより

もっともっと
大きな不安を
家族が抱えるということを

わかってほしいと


私の心が叫んでいる