なつのおわりにふく風に
夕陽なかにつつまれて
まわりのけしきを
のみこんで
ただ
ただ
おれんじいろの
かがやくせかいに
ふと
ゆめかまぼろしか
わからなくなり
どこかに
つれていかれそうになる
なつのおわり
夕陽のなかに
うかぶすがたは
だれだったのだろう
とおいむかしに
であったひとか
とおいむかしに
わかれたひとか
すれちがうひとに
だれかをもとめ
ひとごみのなかに
だれかをさがし
かおのみえない
おれんじいろの
そんなせかいで
みつけたものは
とおいむかしの
あのひとの
さみしいさみしい
わらいがお
夕陽がきえる
そのときに
おれんじいろは
闇となり
わらいがおは
なきがおに
みえないかおから
つたうなみだが
私のてに
おちた
なつのおわりにふく風は
あのひとのなみだを
つれてきた
いかなくちゃ
会いに
いかなくちゃ