りゅう

いくつになった?

はじめての出会いは
ある小雨の降る夜だった



外猫の餌を食べに来て
私の姿を見ると
走って逃げたね

うちにはもう6匹の子がいて
もう家に入れてやるのは無理だと

遠くから私を見るあなたに
謝った


その姿を見ていた息子が

抱っこできたら
家に入れていい?

様子を見ていて
この距離は縮まらないと
思った私は


抱っこできたらな…と
生半可な返事をした



その30分後

お母さん
ゲージ開けて~と
その子を抱いて
入って来た息子


こうして
りゅうは
我が家の7匹めの子になった


そして

もう一匹増え




8匹の猫は

保護部屋で

なんとか折り合いをつけながら

過ごしてくれた


時が経ち

りゅうは
一匹になった

後から来たみいちゃんを
送り

20年目の夏を迎えたりゅう


忙しさにかまけて
じゅうぶんに
甘えさせてやれなくて

もう少し
神様に時間をもらえるなら

今までの分も

思いきり
甘えさせて


そして
虹の橋へ送り出したい


もしかしたら
私の
罪滅ぼしかもしれないけれど



今のように
保護猫

保護活動なんて
言葉も知らないまま


走り回っていた私


けれど
りゅうは
みいちゃんを受け入れてからは
他の子は一切
受け入れてくれなかった

きつい子だと
思ったけれど

もうこれ以上
私に負担を背負わせないための

りゅうなりの
優しさだったのかもしれない





獣医の先生に
イケメンりゅうちゃんと
呼ばれていたけど

病気知らずのせいで
今ではキャリーに入らない

この子の嫌なことはしないで

命の灯火に
寄り添うと
決めている

ゆっくり

ゆっくり

残された時間を

ともに
生きよう


あなたの
ぬくもりとともに


あなたの向こう側にいる
みんなとともに



ゆっくり
ゆっくり


ゆっくりと