〜青水無月〜





雨が咲く

古びた屋根の我慢を伝い
一滴二滴と転がりながら

差し出す指先流れ来て

胸の辺りで雨が咲く

愛し人住む
あの町から辿り着いたと雨が言う

移り香染み付く雨香り
閉じた瞼の切なさだけが
咲いた雨粒抱きしめた


雨の花弁散りそうで
散ったそばから 
この手で掬えば

堪えた涙のひと雫
愛した時間の狭間に散っていく


乾く空の無いことよりも
やがて日の笑み知る頃に

沈む夕陽の紅の色
小さき唇染めながら

愛し人
今度は秋霖の花を
贈ってくれるのでしょうか





詩と写真・炎




この季節、やっぱり雨の詩が増えてくる。
写真だけでも見て下さい(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)