〜初夏の踊り子〜






春の終わりか嘆くのは
薄い紅引く襟元うぶ毛が微かに揺れた

夏の初めに連れられて
遥か遠い水平線
南の風吹く砂丘に立てば

涙ほろほろ頬濡らす


瞼閉じれば初恋の
淡く消えた切なさが
睫毛に絡んだ悲しみは
恋に舞うことさえ諦めて

けれど私今度こそ
砂の上裸足で踊るから

南の風に乗り
初夏の踊り子のように舞ってみせる







詩と写真・炎