春まで | 刹那を綴る・炎
花が一輪咲きました
まだ春まで遠いのに
花は季節を間違えたのでしょうか
いえ
花はまっていたのです
哀しみを抱いた花は
もう咲けないかもしれない
このまま花で在ることを諦めようとしていた
春には綺麗な笑顔を見せておくれ
そう言った人をまつために
少し早い季節に咲いたのです
きっと
冬の白さが
その人の隠した寂しさに似ていたのだろう
散れない
春まで
あの人にもう1度会えるまでは
暦の上では春を知らせているのに
外はミゾレ混じりの雪が積もる
咲いているよ
貴方がまた私を探してくれる
その日まで
写真と詩作、炎