〜真昼の明かり〜




夜を待ち続け
待ち切れない夜を飛び越え
真昼の喧騒にまかれながら

肌の色に似た
紅の引き方が違うと鏡の中の私が
うつむいた

女なれ
愛に身を置く女なれ

買ったばかりのピアスの重さだけ
鼓膜に響かせた囁きの声

真昼の電気を消して

締め切った心の業火の灯りで
私を全て照らし出すから

カーテンの隙間の端の端
ひらり零れた花弁は
時を忘れた一輪だけの

名前隠した紫の花

重ねた肉体の隙間にひらり

堕ちてきた