新人の時に配属になった部署は、ドSナースたちの巣窟でした

それも、師長を筆頭に

しかし、今の私があるのは、そのドSナースたちのおかげと言っても過言ではないので、色々な笑える話や笑えない話を紹介していけたらと思います

では、初回は師長から

師長とは、「病棟看護師長」のことで、各病棟に1人ずついます

病棟の管理責任者として、スタッフの指導や教育、業務や心身的なフォロー、看護環境の改善、ベッドコントロール、勤務表の作成、医師と看護師、患者様との間を取り持つ、など様々な役割を担っています

師長と言っても色んなカラーの師長がいますが、私が配属された病棟の師長は、あと5年で定年を迎えるような全病棟の中でも1番長老的存在の人でした👵
いつも着圧ストッキングに、ワンピースの白衣、小柄な体に大きなリュックを背負い、階段で出勤してくる元気な人でした

「昔はこうだったんだ!」と言うのが口癖で、1年目~3年目までは下働きなんだと教えられました

日勤の日は決まって「21時まで、準夜さんの手伝いして行きな!残業なんて申告するんじゃないよ!準夜さーん、みいこを好きに使いな!置いてってあげるから!」と当たり前のように働かされました

でも、自分はそこの病棟しか知りませんし、自分の仕事が遅くて残業になるのは自己責任だから、残業代を貰おうなんていう考えはまったくなかったです

準夜さんは忙しいんだから、手伝うのは当たり前、その当時はそう思ってましたが、今考えると自分の勤務帯以外の仕事手伝うのであれば、たとえ新人でも残業代がもらえて当然のことをしていたんですよね‥

それに、もしそれで事故でも起こしたら、最終的には時間外勤務を黙認していた夜勤リーダーや師長の責任が問われていたでしょう

師長命令というだけで、何もわからないまま、軽はずみなことをしていた自分が恐ろしいです

それと、「3年目までは休み希望を入れてはいけない」という決まりもありました📝
看護師は、勤務も休みも不規則なので、あらかじめ1ヶ月位前に白紙の勤務表が張り出され、用事がある日などは「休」と記入しておくと、それをもとに師長が勤務表を組んでくれるシステムになっています

私は、仕事優先なのが当たり前で、出来上がった勤務表の休みに合わせて予定を入れていたので、特に不都合はなかったのですが、秋に兄の結婚式があり、そういう事情であれば考慮してくれるだろうと淡い期待を抱いていました

そして、師長に事情を話したところ、一瞬で目が釣り上がり、「みいこさん、あなた仕事っていうものをどういう風に考えてる⁉️何があろうと仕事を優先するんだよっ❗️まだ半人前もならないくせに、生意気言うんじゃないよ‼️」と勤務室ですごい勢いで怒鳴られました

私は「すいませんでした、わかりました」と言い、仕事に戻りました

日にちを伝える隙もなかったの諦めてましたが、本当にたまたまその日が休みになっていたので、無事に出席することができました

あの時は、新人だからしょうがないと思ってましたが今考えると、いじめや人権侵害のレベルかもしれませんね

それと師長は、先輩たちに「この子はよー、叩けば伸びるから叩いて育てようよ!褒めなくていいから!」と言いました

それを聞いて、先輩たちは笑っていました

確かに負けず嫌いなので、間違ってないと思うのですが、こうも大々的に公言されるとさすがに心が折れそうになりました

新人やできないスタッフに対して特に厳しかった気がします

Y係長が、おっちょこちょいで少し抜けている感じの人だったのですが、いつものように少し遅れてお昼休憩に入り、やっとご飯を食べ始めた時のこと‥
師長が休憩室にものすごい形相で入ってきて、「ちょっとYさん‼️あんた仕事がただでさえ遅いのに飯くってる暇なんかじゃないでしょ‼️早く出てきなさい‼️」と怒鳴り散らしました

Y係長は、「すいませんっ!今すぐ出ます」と恐怖で震える手でお弁当をしまい、急いで出ていきました







そして師長は、できるスタッフにはものすごく優しかったです

常に、「◯◯さん、何か手伝えることあるかい?受け持ちさんの体拭くの手伝おうか?入院受け入れもするよ~!」などと声をかけて全力で手伝うのです

そして、具合の悪い患者様にも優しかったです

師長は言いました。
「患者っていうのはな、熱が出たり、呼吸が苦しかったりした時にだけ、声をかければいんだよっ!そうすれば、あの時師長さんがすごく良くしてくれたから助けられた‼️本当にありがとうございましたっていっぱい感謝されるし、そういう時のことを患者っていうのは忘れないんだよ。」と‥‥。
新人の私にとっては、かなり衝撃的な教えでした

世渡り上手というか、損得勘定だけで生きているようなそんな人でした
END

次回は「ドSなナースたち第二弾」

お楽しみに~
