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あらすじ

男にだらしなく自堕落な生活を送るシングルマザーの秋子(長澤まさみ)は、息子の周平に異常に執着する。秋子以外に頼れる存在がいない周平は、母親に翻弄(ほんろう)されながらもその要求に応えようともがくが、身内からも絶縁された母子は社会から孤立していく。やがて、17歳に成長した周平(奥平大兼)は凄惨(せいさん)な事件を引き起こしてしまう。

解説

実際に起きた祖父母殺害事件をベースに、社会の底辺で生きる母親と息子を取り巻く過酷な現実を描いた人間ドラマ。『新聞記者』などに携わってきた河村光庸が企画・製作を手掛け、『タロウのバカ』などの大森立嗣が監督を務めた。社会の闇へ落ちていくシングルマザーを長澤まさみ、内縁の夫を阿部サダヲ、息子を演技未経験ながら初めてのオーディションで選出された奥平大兼が演じるほか、夏帆、仲野太賀らが共演。

長澤まさみも30歳を過ぎて、いろいろな役をやるようになった。これまでロマンス系や

コメディー系でのイメージが強かったが、今回のシングルマザーで男に騙され、貢ぐ

子どものしつけや教育には無関心なネグレクトマザーを演じる秋子は見ていて、今の

子どもの虐待が増加する背景と重なってしまう。

この秋子の幼い頃からの背景が描かれていないから、なんでこの秋子のような母親に

育ってしまったのかがわからない。

どこで歯車が狂ってしまったのか?

この親に育てられた周平と冬華があまりにも母親に従順なのも見てて痛い。

秋子の刹那的な生き方、展望のない人生、それに振り回される周平と冬華。

周平は母親の言うとおりに実母と実父からお金を奪うために殺害し、刑に服することに

なったが、周平は母は自分が傍にいなくては生きていけない、今でも母が好きですと

いうくだり、秋子はどんな風にこの言葉を受け取ったのか?

ラストの秋子の目つきは再起しようとする目なのか?まただれかにすがって生きて行くと

いう目なのか?

観客の解釈に依るところが大きい。

大森立嗣監督はどういう解釈を期待していたのであろうか?