DVD鑑賞作

 

 

 

あらすじ

ソビエト連邦の某所にあり、軍事的な研究が行われている秘密研究所。ここの食堂でウェイトレスをしているナターシャ(ナターリヤ・ベレジナヤ)は、フランス人科学者と肉体関係を結び、惹(ひ)かれ合うようになる。しかし、ナターシャは当局からスパイの容疑をかけられ、KGB職員に疑惑について厳しく追及される。

解説

ソビエト連邦の全体主義社会を再現するという実験的な試みのもと、1万2,000平方メートルの巨大セットでキャストたちが長期にわたって生活をしながら撮影されたドラマ。秘密研究所内の食堂で働くウェイトレスがフランス人科学者と関係を持ったことからスパイの容疑をかけられる。監督は『4(原題)』などのイリヤ・フルジャノフスキー。ナターリヤ・ベレジナヤ、オリガ・シカバルニャ、ヴラジーミル・アジッポなどが出演。ベルリン国際映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した。

新聞の映画批評で読んで、いつかDVD化されたら観ようと思っていた。

ソビエト社会主義共和国連邦が解体されても、まだベールに包まれている当時の様子を

再現した映画である。

ナターシャというウエイトレスから見たソビエトの軍人らが食堂を利用する場面や同僚の若い

ウエイトレスとの口論など、室内劇風の映画で、細かい、軍の実験場面などは出て来ない。

ナターシャが酔っぱらってフランス人科学者と性的関係を持ったことを知った上層部から呼ばれ、スパイ容疑で誓約書を書かされたり、知り得た秘密は必ず報告するようにとか、お仕置き部屋のようなところに軟禁されるシーンとかは、観ていて恐怖を覚えた。

性的シーンはよくここまでやるかと言われるほど生々しいもので、窓もない狭い部屋で素っ裸にされたナターシャは秘部にウオッカの空瓶を押しつけるように命令されたり、一般人がこうやって国家に誓いをたてるのかと残酷なお仕置きも描かれている。

そうやってプライベートもなくなり、社会主義国家の一員となっていくのだろうか?