DVD鑑賞作

 

あらすじ

少年(ペトル・コラール)は東欧のとある場所に疎開し、無事にホロコーストから逃れる。だが、疎開先の一人暮らしの叔母が病気で亡くなり、さらに叔母の家が火事で焼け落ちたため一人で旅に出ることになる。孤児になった彼はあちこちで白い目で見られ、異物として周りの人々にむごい扱いを受けながらも懸命に生きようとする。

解説

ポーランド出身のイェジー・コシンスキの著書を原作にした、ホロコーストを生き抜いた少年を描く問題作。主人公が理不尽な差別や迫害に立ち向かう。少年を新人のペトル・コラールが演じ、『ニンフォマニアック』シリーズなどのステラン・スカルスガルドや『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』などのハーヴェイ・カイテルらが共演。

最初のシーン、少年が逃げ惑うところからこれからどうなるんだろうっていう不安がよぎった。

お世話になったおばさんが途中で亡くなり、行き場を無くした少年(ペトル・コラール)は

行く集落で悪魔の目をした不吉な少年とかなじられ、砂浜に埋められ、カラスにつつかれ

るシーンは残酷だった。

どこの集落でも暴行を受けながらも耐える少年。

この子がユダヤ人というだけで、忌避の存在にさらされる。

ユダヤ人のホロコースト(大量虐殺)はドイツ軍の残酷な政策。

この少年は自分の命を自分で守り、時にロシア兵にすり寄り、銃をもらい、その銃で

自分を防御する。

3時間弱のモノクロ映画だが、スピルバーグのシンドラーのリストを彷彿とさせる残酷な

シーンもあり、目を離せない。

最後のシーンでこの子の父親が生きていて、迎えに来るところが唯一の救いである。