初日の劇場鑑賞
A Day In The Life

解説
クリント・イーストウッドがメガホンを取り、スティーヴン・スピルバーグが
製作総指揮を務めた死と生をめぐる感動的なストーリーをつづるヒューマン・
ドラマ。
死を身近で体験した3人の登場人物が悩み苦しみ、生と向き合う姿を真摯(しんし)
に描いていく。
主演は、『インビクタス/負けざる者たち』でイーストウッド監督作品にも出演
したマット・デイモン。
ほかに、『シスタースマイル ドミニクの歌』のベルギー人女優セシル・ドゥ・
フランスや映画初出演のジョージ、フランキー・マクラレン兄弟が共演。
彼らが見いだす生きることの素晴らしさが、ズシリと心に響く。

あらすじ
パリのジャーナリスト、マリーは、恋人と東南アジアでのバカンスを楽しんで
いた。
だがそのさなか、津波に襲われ、九死に一生を得る。
それ以来、死の淵を彷徨っていた時に見た不思議な光景(ビジョン)が忘れら
れないマリーは、そのビジョンが何たるかを追究しようと独自に調査を始める
のだった。
サンフランシスコ。
かつて霊能者として活躍したジョージ。
今では自らその能力と距離を置き、工場で働いていた。
しかし、好意を寄せていた女性との間に図らずも霊能力が介在してしまい、
2人は離ればなれに。
ロンドンに暮らす双子の少年ジェイソンとマーカス。
ある日、突然の交通事故で兄ジェイソンがこの世を去ってしまう。
もう一度兄と話したいと願うマーカスは霊能者を訪ね歩き、やがてジョージの
古いウェブサイトに行き着く。
そんな中、それぞれの事情でロンドンにやって来るジョージとマリー。
こうして、3人の人生は引き寄せ合うように交錯していくこととなるが…。
A Day In The Life
昨年の「インビクタス/負けざる者たち」での共演以来となるクリント・

イーストウッド監督とマット・ディモン。今回のマット・ディモンは霊能者

ジョージ役。

映画はサンフランシスコ、フランス、ロンドンと三つの都市で起こる出来事が

やがて交差するという手法を取る。

サンフランシスコのジョージはかつて霊能者として活躍していたが、それをビジ

ネスにすることは自ら、呪いと言って封印していた。

今は工場で働く労働者。

兄はそんなジョージにまた霊能者として活躍しないかと言って、友人を介して仕事

を持ち込む。

仕方なく今回限りということで受けるが、その友人が噂を流し、また別の客がやって

くる。

「俺はもうこの仕事から手を引いたのだから、もうそっとしておいてほしい」と断る。

フランスのジャーナリスト、マリーは津波に巻き込まれ死にかけた。

呼吸停止の時に見た不思議なビジョンがその後の仕事に影響を与え、恋人から休んで、

本を書くように言われる。

フランス大統領についての調査研究をまとめることにしていたが、急きょ、自分の臨死

体験をまとめることにした。

それが上層部の逆鱗に触れ、ジャーナリストの道を閉ざされることになる。

ロンドンでドラッグ中毒の母と双子の兄と暮らすマーカスは、突然の交通事故で兄を失う。

母と引き離され、里親と暮らすことになったマーカスは、もう一度兄と話したいと霊能者

を訪ね歩くが、本物はいない。

ある日、ジョージの古いウエブサイトにいきあたる。

工場をクビになったジョージは旅に出る。

行き先はロンドン。

ジャーナリストのマリーはロンドンの出版社が興味を示し、ロンドンに渡る。

ロンドンの出版本展示会で読み語りをしながらセールスをしていたマリー、その会場で

マリーの話に引き込まれるジョージ、マーカスもその会場で偶然、霊能者ジョージを

見つける。

そうやって出会った三人には「死後の世界」という共通のテーマでつながるのであった。

マーカスの兄と交信するジョージが代弁した言葉、マリーとジョージとの出会い、エンディ

ングはこれまた粋な演出である。

クリント・イーストウッドらしい余韻が残る内容に乞うご期待。

この映画のすぐ後に、あの3・11東日本大震災が襲うことになるとは・・・