DVDにて観賞
キャッチコピーがいかすこの映画
扉を閉ざしたニューヨーク──移民の青年との出会いと“ジャンベ”の響きが孤独な大学教授の心の扉を開く
解説
初老の大学教授と移民青年との心の交流を描いた感動ヒューマン・ドラマ。
妻を亡くして以来、心を閉ざす孤独な男が、ひょんなことから出会った
ジャンベ(アフリンカン・ドラム)奏者との友情を通じて次第に本来の自
分らしさを取り戻していく姿を、9.11以降非常に厳格な措置を講ずるよう
になったアメリカの移民政策を背景に綴る。
監督は俳優としても活躍し、これが監督2作目となるトム・マッカーシー。
主人公を演じたベテラン俳優リチャード・ジェンキンスは、本作でアカデミ
ー賞主演男優賞ノミネートをはじめ各方面で賞賛された。
あらすじ
コネティカット州の大学で教鞭を執る62歳の経済学教授ウォルター。
愛する妻がこの世を去ってから心を閉ざしたまま孤独に生きてきた彼は
ある日、学会出席のためニューヨークへ赴く。
そして別宅のアパートを訪れると、そこには見ず知らずの若いカップル、
シリア出身の移民青年タレクとセネガル出身の恋人ゼイナブが滞在していた。
しかし、彼らはこの時はじめて詐欺に遭っていたと知り、グリーンカード
(永住許可証)を持たないために警察沙汰などで国外追放になるのを恐れ、
素直に去っていく。
だが、あてのない2人を見過ごせなかったウォルターは、しばらくの間この
部屋に泊めることに。
そのやさしさに感激したジャンベ奏者のタレクからジャンベを教えられ、友情
を育んでいくウォルター。
ジャンベをたたく楽しさを知った彼は再び生きる喜びを見出し、閉じていた心
の扉を開いていくのだが…。
心を閉ざして、とっつきにくそうな表情の大学教授ウォルターが、シリアから
の不法滞在でアメリカに来ていた青年タレクとの交流を通して、アフリカン
ドラム、ジャンベに魅了されていく。
映画の中でジャンベの音色が響く。
次第にウォルターの顔の表情も変わっていく。
そして人生にも前向きになっていく。
タレクの母親がやってくる。
同じ連れ合いを亡くした境遇もあって、次第に惹かれ合う二人だったが、
やがて別れがやってくる。
映画は終始静かなトーンで進むが、9・11以降厳格になっていったアメリ
カの入国管理の実態も描かれ、温厚なウォルターが「この青年が一体何をした
というんだ。何も悪いことをしてはいないではないか?間違ってるよ、この国は」
と激怒するシーンがそれを物語っている。
ラストがまた心憎い。地味な映画だが、これはお勧めしたい。
「グラン・トリノ」に通じるものがある。
キャッチコピーがいかすこの映画
扉を閉ざしたニューヨーク──移民の青年との出会いと“ジャンベ”の響きが孤独な大学教授の心の扉を開く
解説
初老の大学教授と移民青年との心の交流を描いた感動ヒューマン・ドラマ。
妻を亡くして以来、心を閉ざす孤独な男が、ひょんなことから出会った
ジャンベ(アフリンカン・ドラム)奏者との友情を通じて次第に本来の自
分らしさを取り戻していく姿を、9.11以降非常に厳格な措置を講ずるよう
になったアメリカの移民政策を背景に綴る。
監督は俳優としても活躍し、これが監督2作目となるトム・マッカーシー。
主人公を演じたベテラン俳優リチャード・ジェンキンスは、本作でアカデミ
ー賞主演男優賞ノミネートをはじめ各方面で賞賛された。
あらすじ
コネティカット州の大学で教鞭を執る62歳の経済学教授ウォルター。
愛する妻がこの世を去ってから心を閉ざしたまま孤独に生きてきた彼は
ある日、学会出席のためニューヨークへ赴く。
そして別宅のアパートを訪れると、そこには見ず知らずの若いカップル、
シリア出身の移民青年タレクとセネガル出身の恋人ゼイナブが滞在していた。
しかし、彼らはこの時はじめて詐欺に遭っていたと知り、グリーンカード
(永住許可証)を持たないために警察沙汰などで国外追放になるのを恐れ、
素直に去っていく。
だが、あてのない2人を見過ごせなかったウォルターは、しばらくの間この
部屋に泊めることに。
そのやさしさに感激したジャンベ奏者のタレクからジャンベを教えられ、友情
を育んでいくウォルター。
ジャンベをたたく楽しさを知った彼は再び生きる喜びを見出し、閉じていた心
の扉を開いていくのだが…。
心を閉ざして、とっつきにくそうな表情の大学教授ウォルターが、シリアから
の不法滞在でアメリカに来ていた青年タレクとの交流を通して、アフリカン
ドラム、ジャンベに魅了されていく。
映画の中でジャンベの音色が響く。
次第にウォルターの顔の表情も変わっていく。
そして人生にも前向きになっていく。
タレクの母親がやってくる。
同じ連れ合いを亡くした境遇もあって、次第に惹かれ合う二人だったが、
やがて別れがやってくる。
映画は終始静かなトーンで進むが、9・11以降厳格になっていったアメリ
カの入国管理の実態も描かれ、温厚なウォルターが「この青年が一体何をした
というんだ。何も悪いことをしてはいないではないか?間違ってるよ、この国は」
と激怒するシーンがそれを物語っている。
ラストがまた心憎い。地味な映画だが、これはお勧めしたい。
「グラン・トリノ」に通じるものがある。


