Dying Eye「死ぬときの目」という恐い表題です
A Day In The Life

あらすじ
記憶を一部喪失したバーテンダーの雨村慎介は、自分が死亡事故を起こした過去を

知らされる。

なぜ、重要なことを忘れてしまったのだろう。

事故の状況を調べる慎介だが、以前の自分が何を考えて行動していたのか、思い出

せない。

しかも、関係者が徐々に怪しい動きを見せ始める・・。

慎介が勤めているバー「茗荷」にある日、一人の女性が現れる。

名前は瑠璃子。

どこかで見たような顔だと感じながら、接客をする。

その目に吸いこまれるような不思議な感覚。

そして謎は徐々に解けていく。

ある日、以前勤めていたカクテルバーの「シリウス」の社長江島の後部座席

に座って家まで送ってもらうときに、記憶を取り戻す。

そうだ、あの時の事故。

俺は今の様に、江島の後部座席に乗っていたのだ。

自転車に乗って帰路につく岸中美菜絵をはねたのは、江島。

その後、赤のフェラーリーがその江島の車を避けきれずに、岸中美奈絵に

致命傷を負わすという二重事故だったのだ。

その赤いフェラーリーを運転していたのが帝都建設社長上原の令嬢ミドリ。

慎介は江島の、ミドリの同乗者であり、フィアンセの木内は、お互いに身代

わりになることになる。

しかし、岸中美菜絵の最後の「生への執着」「死にゆく無念さ」「加害者へ

の復讐」の目は、ミドリに焼き付いていく。

被害者の怨念は、肉体が滅んだ今でも、目に宿っていた怨念はずっと加害者

を苦しめるということをテーマとした小説で、最後までぞくっとさせられま

した。

ハンドルを握る以上、いつ自分が加害者になるとは限らないので、最新の注

意を払って車を運転しようと思いました。