DVDにて観賞
A Day In The Life

解説
ハーレムを舞台に、過酷な運命を生きる16歳のアフリカ系アメリカ人少女、
クレアリース“プレシャス”ジョーンズの人生を描く人間ドラマ。
サンダンス映画祭でグランプリを受賞したほか、各映画賞の目玉的存在と
なっている。
新星ガボレイ・シディベが悲惨な家庭環境で育った主人公プレシャスを熱演。
マライア・キャリー、レニー・クラヴィッツら、有名スターの助演も話題を
呼んでいる。
全米公開時には口コミで評判となった、力強く感動的なストーリーに注目だ。

あらすじ
実父と義理の父によって妊娠を2度させられ、母親(モニーク)からは精神的にも
肉体的にも虐待を受ける16歳の少女プレシャス(ガボレイ・シディベ)。
悲惨な家庭環境に生きる彼女は、学校の先生や友達、ソーシャルワーカー
(マライア・キャリー)らの助けを借り、最悪の状況から抜け出そうとするが……。

実に重苦しい映画であった。
A Day In The Life


以下ネタバレあり
プレシャスジョーンズはハーレムで生活をする16歳の少女。

容姿は醜く、一度でいいから男の子に声をかけられたい。

愛されたいと望むが常にからかいの対象だった。

妊娠がわかって、高校を退校させられる。

彼女が行き着いたのは中間学校というフリースクール。

ここに通う子らはいわゆるマイノリティーと言われる有色人種。

文字の読み書きができない人々。

日本の中学生でも一年生の子ならアルファベットは一通り書けるのが普通だが、

母国語の文字が読めない、書けない。

その点、日本の義務教育のレベルの高さは世界でも指折りだと思う。

アメリカ、中国は経済的には日本よりは上だが、文盲率でいえば日本よりはるか

に高いだろうと思う。

アメリカはノーベル賞受賞者も多い反面、文字がろくに読み書きできない大人も

半端じゃないくらいいるだろう。

ましてや中国の山間部は想像を絶するほどだと思う。

底辺部で生活をするハーレムのプレシャス、母親から虐待され、実夫と義父から

レイプされ、子どもを生み、育てようと思うが、母親のように働こうと思えば働けるの

に偽装生活保護を受けるようなことはしたくない。

母親と訣別し、自立しようとするプレシャスジョーンズ。

フリースクールの友だち、先生らはそんなプレシャスジョーンズを心より応援する

のであった。

家族よりも暖かい人がまわりにいてくれたことで、一歩を踏み出すプレシャスに

エールを送りたくなる映画であった。