「幻夜」を先に読んでから、この本を読んだのですが、

「幻夜」では阪神淡路大震災で知り合った新海美冬と水原雅也の物語

この「百夜行」は、西本(唐沢)雪穂と桐原亮司の物語

やはり舞台は大阪が原点となっている。

この「白夜行」でも、唐沢雪穂が悪女ぶりを発揮し、桐原亮司が裏で動いていく。

しかし、今回は直接の接点が描かれる場面がない。

元刑事笹垣の地道な聞き込みの結果で、知ることができる。
A Day In The Life

あらすじ
1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋の主人、桐原洋介が殺された。

容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。

被害者の息子・亮司と、「容疑者」西本文代の娘・雪穂-暗い眼を

した少年と、並はずれて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んでいく。

西本雪穂は唐沢礼子の養女となって、唐沢雪穂として精華女子大学とすすみ、

そして大学で知り合った高宮誠と結婚するが、離婚する。

その後、雪穂は株でもうけたお金を資金に「ブティック」を経営する傍ら、

高宮の親友の篠塚薬品の御曹司、一成の従兄の康晴と再婚する。

桐原亮司は、パソコンソフト関連の事業を興したり、名前を秋吉雄一と変えて、

大学病院薬剤師の栗原典子に近づき、雪穂の身辺を探る探偵の今枝を消すこと

を計画、実施する。

質屋殺しの関連を唐沢雪穂と桐原亮司にしぼって、そのなぞをずっと追ってきた

老刑事、笹垣。

この謎は、19年目にして解ける。

そこには、なんとも言えない雪穂と亮司の暗い過去があった。

ラストは、張り込んで亮司を待ち受ける警察。

亮司はどうなるのか?雪穂は?

「百夜行」、「幻夜」の順番で読むのが一番ですが、

続編ということではないようなので、どちらから読んでもよさそうです。

「幻夜」も好きですが、「百夜行」のほうがやはりおもしろかった。