劇場にて観賞

解説

朝日新聞夕刊に連載され、毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞した吉田修一の話題作
を映画化した犯罪ドラマ。
九州のとある峠で起きた殺人事件をきっかけに、偶然に出会う男女が繰り広げる逃避行
と愛を息苦しくなるほどリアルに描く。
監督は、『フラガール』の李相日。
罪を犯してしまう肉体労働者と彼と行動をともにする女性を、『ブタがいた教室』
や大河ドラマ「天地人」の妻夫木聡と『女の子ものがたり』の深津絵里が演じる。
原作で巧みにあぶり出される登場人物の心理がどう描かれるのか、実力派俳優たちの
共演に期待が高まる。

あらすじ
若い女性保険外交員の殺人事件。
ある金持ちの大学生に疑いがかけられるが、捜査を進めるうちに土木作業員、
清水祐一(妻夫木聡)が真犯人として浮上してくる。
しかし、祐一はたまたま出会った光代(深津絵里)を車に乗せ、警察の目から
逃れるように転々とする。
そして、次第に二人は強く惹(ひ)かれ合うようになり……。

以下ネタバレあり

A Day In The Life









冒頭の映像から、福岡市天神の三越が映し出される。

九州、それも北部九州ロケが中心の映画、馴染みの景色がみられた。

また役者も九州出身が多い。

若い女性保険外交員役の石橋佳乃を演じる満島ひかりは沖縄県、祐一演じる妻夫木聡、

矢島憲夫演じる光石研は福岡県、佳乃の母演じる宮崎美子は熊本県、光代演じる深津絵里

は大分県出身である。

呼子のイカの刺身、博多の鉄鍋餃子と名物も楽しめた。

とある峠は福岡市と佐賀県境の三瀬峠、祐一と光代が待ち合わせした駅は佐賀駅、

出頭しようとした警察署は諸富警察署、祐一が住んでいた家は西彼杵地方の平戸市、

祐一と光代が向かった灯台は五島列島の灯台。

九州在住の僕としては、映画を観ながら、ドライブしてるかのようだった。

監督は「フラ・ガール」「スクラップ・ヘブン」の李相日。

殺人事件を犯してしまった祐一だが、佳乃に振り回された結果の罪。

でも殺したことには間違いない。

自首をしようとしたが、光代に恋をし、光代も祐一に惹かれていく。

A Day In The Life









二人がたどり着いた灯台はかつて祐一が母親と一緒にきた場所。寒風吹きすさぶ

岬の突端にある。ここが二人の居場所。

そしてその短い旅もやがて終わりを迎える・・・

佳乃の父親役の柄本明、祐一の祖母役の樹木希林が妻夫木聡と深津絵里の主役を

固めていたのも印象的だった。

昨年の私のベストワン邦画である。