ドラマで放送中のコウノドリ2が、子宮内胎児死亡を描いた「あかりちゃん」の回でした。

録画を週末に夫婦で見て、泣きすぎて、頭痛です...ガーン

 

妊娠していた頃に漫画でこの話を読んで、衝撃的だったけど

まさかまさか、自分には起こらないだろうと思っていました。

 

でもその後、我が家も似たような体験して

(私の場合は、健診で心拍が下がっているのが見つかり緊急帝王切開後の誕生死)

初めて、死産は今の日本でも100人に2〜3人は起こっていると知りました。

 

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以下、ドラマ「コウノドリ2」第5話のストーリーを含みます。

天使ママさんのなかには、このドラマを見ていない方が多いと思いますが

見ることをおすすめしたいわけではありません。あせる

誕生死の経験者としてのイチ感想です。

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「あかりちゃん」の回は、ドラマ1時間の中に私が体験した感情が凝縮されていました。

死産した人の気持ちを、よくよく調べて作られているんだなと思いました。

 

お医者さんに「原因不明です」と言われて、

「え?なんで、うちの子が?」という戸惑いと夫婦におそってくる悲しみ。

 

自分を責め、旦那さんと家族に申し訳ない気持ちなること。

 

ベビーベッドに横になっている、亡くなった我が子がとても可愛く見えること。

 

天国に見送る前に出来る、赤ちゃんとの思い出作りのこと。

 

ぺたんこになったお腹を見て「生まれたの?」って悪気なく聞いてくる妊婦さんへの対応の戸惑い、そして心配を掛けたくないこと。

「赤ちゃんは元気?」って聞かれて「かわいいよ」って答える機転の良さは私にはなかったですがあせる

 

ニット帽を編んで、赤ちゃんを迎える準備をしていた状況から一瞬で起こる暗転と、その帽子を亡くなった赤ちゃんに被せて退院していく夫婦の気持ち。ドラマに描かれてはいないけど、

「これを被せるはずだったのに...」

って、どん底まで悲しんでから

「生まれた我が子に、出来ることを全部してあげよう」

と一歩を踏み出したということが分かります。

 

「正面玄関から退院するのをお母さんが望んだ」

という先生のセリフ。

現実には目立たない出口から退院する人が多いけど、正面から見送りたいという、患者に寄り添う医療関係者の想いが表現されているのかもしれません。

 

我が家は、花で飾った小さな棺に寝かせた赤ちゃんを、お葬式やさんが先に車に運んでくれて、私は産科のロビーを通らない出口から退院しました。

輸血と帝王切開後で歩くのが精一杯で、抱っこまで気が回らずショボーン汗

 

祈りの部屋のシーンと、

赤ちゃんと一緒に帰って、プリンのお店を紹介するシーンが

美しい光で印象的に描写されていて、

亡くなった赤ちゃんを尊く描いてくれているのが嬉しかったですえーん

 

 

漫画を読んだとき、亡くなっても連れて帰るんだ...って客観的に思っていたけど、

うちも連れて帰って数日間、似顔絵を残したり、絵本を読んであげたり、冬だったけどエアコンをつけないで3人で過ごしました。旦那さんがそういう段取りにしてくれていました。当時は、流れに任せてそうなったけれど、赤ちゃんとの思い出を作ったことが精神の回復の助けになりました。

 

 

ドラマだから、ここで終わりで、

そのあとの、火葬場で最後に蓋をするときの深い悲しみとか、小さな骨壷を家に連れて帰って、毎月お花を飾ることとか、きっと骨壷の周りにも色々手作りすることとか、いろんな人に「赤ちゃん生まれた?」と聞かれてしまうこととかは出てきません。

現実には、そのあともずっと悲しみが続きます。

それでも、ドラマを通して周産期に赤ちゃんを失うという出来事を知ってもらえるのは、有り難いと思いました。

 

 

「こんなこと、めったにないんでしょ」って

以前の私は思っていたし、そう思う人もいるかもしれないけど...

世界中の妊婦さんに、それなりの確率で、確実に起こっていることです。

 

 

同じような体験をしてから9ヶ月たっても、

妊娠・出産する親友たちが、私に気を使ってくれてて悪いな...と思ったり

赤ちゃんを育てていないのに、仕事量を少なくしたまま時間が止まってしまったようで、無力な気持ちになったりします。

 

一方で、常に息子を意識していて、出産する前とは良い意味で違った夫婦になっていることも確かです。

死産を「忘れたほうがいい」と言われる時代もあったようですが、なかったことになんて到底できない、人生のなかの大きな出来事です。

 

9ヶ月の月命日に買ったお花がいい匂いですニコ