「妄想代理人」を視聴して。私が思う、少年バットの正体。 | もかもかのブログ

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思ったことを、想ったままに。


ひかりTVで、「妄想代理人」というアニメを視聴しました。
今、見終わったばかり。
今、思っていることをここに書き留めておきます。

「妄想代理人」の公式サイトはこちらになります→星


第13話「最終回」、
自分の不注意で、車にはねられて死んでしまった愛犬のまろみを抱きしめて、
「ごめんね、まろみ」と謝る月子を見て、「さよなら」と言って消えた少年バットの影。
ここを見て初めて、この少年バットは
月子の良心が形になったものではないかと思いました。
小学6年生の頃の月子は、自分のせいで愛犬が死んでしまったことを認められず、
架空の犯人、少年バットを作り上げ、自分も被害者になろうとしました。
架空の犯人を責める言葉を吐いた瞬間、道路に落ちていた月子の影は、
少年バットの形に変わります。
まるで、今にも月子の頭を殴ろうとするようにバットを持った腕を振り上げて。


誰より恐るるべき目撃者、容赦のない告発者は、すべての人の心にある良心である
古代ギリシャの歴史家、ポリュビオスの言葉です。


月子に限らず、少年バットに襲われた人たちは皆、
自分自身の良心が形となった「少年バット」に襲われたのではないかと思いました。
被害者は皆、精神的に追い詰められた時に少年バットに襲われました。
周りから非難されることはもちろん辛いですが、
何よりも、自分で自分を非難し、許せないことが、
より辛く、追い詰められることだと思います。

鷺月子は、自分で自分の足を鉄パイプで殴り、襲われたと嘘をついた。

川津明雄は、交通事故をおこし、老人を入院させた。

鯛良優一は、いじめられている自分を心配してくれる牛山が
少年バットに襲われることを願い、
実際牛山が襲われた時、牛山を助けるよりも、
自分が少年バットをつかまえて、疑いを晴らし、ヒーローになることを考えた。

蝶野晴美は、もう一つの自分の人格の存在を婚約者に打ち明けられずにいた。

蛭川妙子は、ずっと大好きだった父の酷い裏切りを知って家を飛び出し、
心配する父からくる電話に冷たい態度を返し続けた。

これらのことが、それぞれの良心を刺激して、自分で自分を追いつめ続け、
少年バットを生み出してしまったのではないかと思いました。

最終回では、蝶野晴美の別人格まりあの存在は、旦那の笠秋彦にばれ、
秋彦は現実逃避するように、マロミに心酔した。
鯛良優一の靴箱には、牛山が夏休みの工作で作ったヤシの木のミニチュアが入れられ、
暴走した少年バットに飲み込まれる時、
鯛良優一は靴箱の影で怯えながらヤシの木を抱きしめていた。
蛭川妙子の記憶は失われたまま。

結局、少年バットに襲われたことで、
憑き物が落ちたようにすっきりとした気持ちになっても、それは一時的なもので、
月子のように過去の嫌な自分、目を逸らしたくなるような自分としっかりと向き合い、
その時の自分を受け入れ、自分で自分を許せない限り、
少年バットはいつまでも、いつでも現れるものなのかなと思いました。

マロミは、嫌な自分を見たくない、思い出したくない時の、
現実逃避の象徴。
少年バットは、嫌な自分から目をそむけても逃げられない、
自分自身の良心の象徴。
そんな風に感じました。

東京を飲み込んだ少年バットが波が引くように消える時、
皆の笑顔の映像が流れますが、
生きている人は、これからあるかもしれない未来、
亡くなってしまった人は、もしかしたらあったかもしれない未来の姿なのかな。
OPの笑顔は目が笑ってない感じで狂気じみてますが、
ここの笑顔は皆本当に幸せそうで。
現実になったらいいなあと思います。


長くなってしまいましたが、私は「妄想代理人」をこんな風に受け止めました。
これから、色んな方の感想や考察を拝読しに巡りたいと思います。楽しみ。


星星星星星星星星星星星星星星星星星星星星星


追記:いくつか感想を読ませていただいたのですが、
私、少年バットの捉え方根本的に間違ってる…!
少年バットは逃げ口なのかあ。
見当違いで恥ずかしいのですが、この記事このまま残しておきます。
そして、狐塚君のこと全然触れてなかった。
ごめん、狐塚君。