WAO!エンターテイメント大十回公演

夏の匂いは嫌いじゃない


大阪市中央区北久宝寺町4-3-12小原5ビル6F 

アトリエアーサムでの公演です。




ストーリー


趣味もない、夢もない

毎日行きたくない会社に出勤し

このままで人生いいのだろうかと悩む佐野


夢破れ、東京から帰ってきている

初恋相手の里美


役者になろうと奮闘するが

このまま夢を追うことが正しいのか

わからない真壁


誰かの人生に自分の人生を重ね

自分にないものを感じ

時に苦しく、時に笑い…


それぞれがそれぞれの人生を歩む中で

迷い、立ち止まり、また歩き出す‥


左から佐野役の一二三さん、里美役の水野桜花さん、真壁役の長山知史さん


前回に観た「走り梅雨の音〜その雨は、まだ止まず」が、とてもおもしろかったので

その他の作品も観てみたいと思い訪れました。



2つの作品を見て、WAO!さんは、ステージを本当にうまく使う。

小さなステージなのにたくさんの場面を照明を上手く使い場面転換を違和感なく魅せる。

逆に大きなステージではないからこそ出来るのかも分からないが、私はこういうのが好きだ。


この2作品、ほっこりさせる、身近に感じさせてくれる、よいアクセントとして居酒屋(飲み屋さん)が出てくるのですが

その雰囲気が実にいい。演者もそれぞれ個性があり、しかもこんな人、確かにいるかもと思わせてくれる。

こういうのが話を重くさせてしまわない、逆に柱の部分を強調してくれる効果を持っているんじゃないかと思う。




誰もが感じる日々の生活での仕事の悩み。

仕事の意味とは?


私がなりたかったのは教師。子供の頃から人に自分の知っている事を人に伝える事が好きだった。

それが、誰かの役に少しでも役立つのであれば自分も嬉しくなる。

大学に入りアルバイトでやった塾の講師を歴て、その考えはもっと強くなった。

がんばり過ぎて経営者ともめ辞めさせられそうにもなった。

その時生徒たちが「先生が辞めるなら僕も(塾を)辞める」の言葉で決定的になった。というより、この言葉があったから今まで生きてこれたのかもしれない。


大学を卒業、高校の教師になった。夢はかなった。


•••


今は工場に勤めるサラリーマン。

会社勤務をしたり小さなお店を経営したり

いろいろあったけれど、その時その時を楽しく生きている。


教師は自ら辞めた。自分の夢を壊したくなかったから、守りに入るようなそんな教育者像は持ってなかったから。


一生懸命にやれば、どんな仕事でも興味が持てる様になり、困難を克服した時にはちいさな喜びでも得られることが出来る。

楽しむことだって出来る。

その一生懸命は、きっと誰かの幸せのためになっていると思う。

このことは、講師、教師として生徒たちから教えてもらった財産だと思う。


教師•自営業からの転職時、複数の面接官からは工場勤務はあなたには難しいと言われた。

でも、不思議とどんな仕事でもやれる、やり甲斐も持てる様になるという確信的なモノがあった。






部長の奥さまの言葉

「結婚する前に描いていた幸せとは違った。でも、幸せ」そんなニュアンスだったと思うのですが


転職などでいろいろと苦労をかけたと思ってる。裕福とは言える生活ではなかったし

子供は、自分のやりたい本書の道に進み自立して世間一般では成功と言えるくらいの生活をおくれるようになった。


彼女も部長の奥さまと同じような気持ちでいてくれてるのだろうか?


心にしっかりと刺さる、そんなお話でした。



他の作品もまた観てみたいと感じさせてくれる作品でした。