WAO!エンターテイメント第九回公演


『走り梅雨の音その雨はまだ止まず』



大阪中央区の御堂筋線本町駅から徒歩2分
(私はなんば駅からしっかりと歩きました)
難波神社の裏辺り小原ビルの6Fにある
アトリエアーサムでの舞台。

ビルの入口に貼られていたポスター

ビルの一室に入った時、ポスターに書かれていた出演者数14人はこのステージでは多すぎるんじゃないかと。
でもその心配は全くあてはまりませんでした。


物語は、超簡単にいうと、何十年もかけ麻薬販売組織を壊滅させようとする警察官たちの話。

宅間宗刑事 内田竜次



宅間刑事から時計回りに
篠塚浩史刑事 猪野又真人
西原正志部長 西村昌広
神崎隆本部長 青木辰尚
鈴木圭吾刑事 田伏柾昭
そして真ん中 瀬下あすか刑事 水野桜花

この面々が事件を解決していく中で深い闇の中に

前説は
居酒屋女将楠京子 知公奈緒美
ホッコリとした感じの喋り方で、そのあとから始まるシリアスな話が逆に際立ちました。



ステージの向かって左側には本棚を背にした署長の机。

真ん中には並べられた箱。これは単なる舞台の区切りなのか?
それとも椅子になる?机?

右にも少し背の高い箱。

今までに見た刑事物は取調べ室の場面が中心に展開するのが多かったのですが、この空間を上手く使い
本部長の部屋、署内、会議室、現場、居酒屋、勾留場など
照明と出演者さん達の動き方で上手くその場面転換を行い違和感なく観ることが出来ました。


物語は
スクリーンに映し出された映像とニュースキャスターさんの登場から始まった。

左のキレイなお姉さんがニュースキャスターの上澤こころ


(ちょっとここで照明のトラブルあり。)

ニュースには「警視庁警視監」の葬儀の話題。

場面が変わり

警察捜査本部、鈴木刑事と瀬下刑事の会話。(これから始まる事件への導入の、大事なポイントとなる写真が)
そして2人は会議室に向う。

ここで凄いと思ったのが、一瞬で真ん中に置かれていた箱の列を、多くの人がアーティスティックスイミングのようにキレイで素早い動きで並び替え
会議室とその部屋の椅子と変えてしまったんです。

これで今まで観た舞台とは違うというのを感じました。

(ここで捜査官たちに指示を出す部長さんが噛みまくっての心配はありましたが、これ以後問題なし)

あらすじなどあえて書きませんが、よくある話と言えばそうかも分かりませんが、推理の内容とか展開、そして
瀬下という一人の女刑事の成長過程を見事に描いているのは凄かった。

シリアスな場面だけでなく、居酒屋の場面が出ることによって

右上の場面、居酒屋の店員小牧 東海林楓

女将さんや、その娘さんの神崎こころさん、宅間さんのことが大好きな店員の小牧、そして何故か小牧に嫌われる新聞記者の成田一平 (牧野真人)


の掛け合いで緊張と緩和の緩和の部分が出来ました。

緊張の場面では、2つ上の写真の左上のマフィアのちか(齋藤優心)さんの逮捕される場面など
本気じゃ無いのかと思われる迫真とも言える演技で、よりシリアス感が出ていました。

緊張と緩和のバランスが本当に良かった。

そして、
最初から最後まで、まるで阿部寛さんのような風貌で無口、厳しくも優しく後輩を育てようとする、正義感に溢れている宅間を演じた内田竜次さんや

女性刑事として1人前になるためにもがき苦しみ、それでも前に進むことを選んだ
水野桜花さんの演技は素晴らしかったと思う。

拓馬が警察の内通者をあぶり出すために自ら捕まり、留置場で落ち込んでいた瀬下に
真の正義を貫き通すことの大切さを伝える
宅「お前みたいに前だけ見てバカみたいに走る奴にはわからんか」
瀬「そんな言い方」
宅「そんなバカみたいに走る奴でも全力で走れば力となるんだよ」
瀬「・・・」
宅「もう走れないのか!」

宅「聞こえない」
瀬「あ‥」
宅「走れないのか?」
瀬「走れ‥走れます」
宅「頼んでいいか?」
瀬「はい」
宅「・・・」
瀬「はい!」
宅「頼んだぞ」
そして、瀬下が敬礼する。

とこの場面なんて、感動で鳥肌が立ちました。

無駄に出ている人もなく、それぞれが凄い演技をしていて
なかでも、宅間さんと水野さんの演技は素晴らしかったように思う。


話も、途中から出て来た事故にあったという、とにかく怪しい

チンピラの竹象
が、大切なヒントとなりラストをむかえる。
(出てきた時から絶対に話の重要な部分を担ってると予想していた)

※気にしたらアカンのやけど、麻薬の取り締まりとかの部署で交通事故や違反の取り扱いはしないと思う疑問(笑)

ただ最初は宅間と瀬下、居酒屋の関係者を除く全員が、
潜入捜査官の菅原ゆうま 一二三や
マフィアの松下美沙 伊筑早希はもちろん
怪しく感じていました。

そして、ラストは

部長、青木辰尚。

走り梅雨の音
その雨は、まだ止まず

この題名が意味するものに・・・


一本の映画をLIVEで観た!
ドラマをLIVEで観た。

それがこの舞台を一言で言った時の感想です。

公演回数が多いとはいえ、1回のステージで観客が10数人だけというのは残念。もっとたくさんの人に観てもらいと感じる舞台でした。


ただ残念なのは支払い方法。振り込みによる支払いですが、現金振り込みだと手数料が550演技。
しかも、私が持っているカードではコンビニATMでは夕方以降は振り込み出来ず、会社のお昼休みに社長に許可を頂いて郵便局に出かけて手数料550円払いました。