大阪港区にある「世界館」で行われた今回の舞台。
今年の3月に行われた公演の追加公演です。

あらすじなどは前回と同じものなのでこちらをご覧下さい。

仕事納めの日にあたっていたのですが、今年はいろいろとあり、忘年会はなく新年会だけと決定。
年末にかけ仕事量もそれほどではなくなって来たので、これなら遅くても3時前までには終われるとふんで急きょ予約を入れ、観てきました。
前回との変化

六角星の1人すみれ役の三上よしかさんが辞められ、すみれのライバルリコ役の西岡ちひろさんがすみれ役。
リコ役には、初舞台となる森つぐみさんが出演。
ということで、この2人の演技でどのように変わったのかと
全体的にどんな風になったかを中心に書いていきたいと思ってます。

本来は物語に集中したいところですが

2度目の観賞ということで、物語の展開を知っているだけに、完全にはのめり込めず
どうしても比較してしまいました。

では、いつものごとく勝手な考察記録。

「楽しかったらそれでいいやん」「そんなことは書いていらん」「ファンにとっては悪口やん」など思われる方はいると思うし、

評論家でもないし、あくまで舞台観賞を趣味としている者の勝手な思いを綴っているだけです。

総体的には前回に比べると、かなりレベルアップしていたように思います。

六角星全体のレベルアップによって、リーダーリュウの勝手にひとりで突っ走っていて嫌なヤツという印象からワガママなところはあるものの強引に引っ張っていくというリーダー的立場が出来たのではないかと見えました。

その結果、最後の「お客様と一緒に」というところに優しさを感じ、この舞台の話がまとまった印象です。

前回にも書いたように、この話しは立花竜(リュウ)には真鍋夏菜子(マロ)、池西翔太郎(イケちゃん)には俊樹、金光剛司(ゴウシ)には妹の杏(アンズ)、竹中萌美(モエ)には美月先輩、小海すみれとライバルリコ
対比されながら話しは展開されていきます。

なので、片方の演技が劣ってしまうと相手の演技が変に違う印象に受け取られてしまったり、印象自体が弱くなってしまうんです。

ですから、前回と比べるとその役の印象がかなり変わりました。

先に書いたようにリュウの印象も変わりました。




リコはもっと嫌らしさ(客が「酷すぎる」「何でここまでするの」って、声が出て来るほどに)が出て来たら、さくらのか弱さの中にも頑張っている姿を強調してお客さんに伝える出来たのではないでしょうか。

イケちゃんは目線が安定して、舞台上では安心して見ていられました。
ただリュウに怒る場面での左の手が不自然で、本当に怒っているようには感じられませんでした(とても残念)
あと、フリーに演じられる漫才。個人的には前回のほうが笑えたかな。
コンビでのやり直しはじめの漫才として、イケちゃんの頑張りを強調したかったのかもわかりませんが、
前回はしっかりと「間」がとれての笑いだったような(練習をかなりしたんだろうと感じられる)

金光兄妹の演技は、私の中では文句なし。
杏ちゃんは、普段の彼女に近い役(知りませんが)なのかもなのですが、もし演じてやっているのであればスゴいですね。
ついつい引き込まれてしまいます。
  
彼ら(劇団MONA「タカラモノ」メンバー)の目標が、全国公演ということらしいので
もし、お近くで公演されることがあれば
この二人の演技は見る価値ありです、はい。                                                                                                     
そして、美月先輩役の大倉悠さん
前回は、美月先輩がどういう気持ちで看護士として働いているのかが見えなかった。

テキパキとこなすことで、最大限(数)の患者さんの役に立つことを優先でやっているのか?
モエと同じ気持ちだったが、挫折し、それでもその目標達成のために?
など
(対立的な立場で)比較、役を強調させるのならこんなのかな?見たあとにも、いろいろと想像を働かせたのですが、ハッキリしなかったんです。


そして、竹中萌美役の吉川舞さん
自分が目標としていた看護士となり、男勝りとも言えるくらいしっかりとした性格のモエなのですが

美月先輩が前回と比べて強くなった印象を受けたことで
モエがただ強いだけの女性ではなく、弱い部分を持った人間らしさというのですか?そういうモノも感じることが出来ました。

これはご本人にもお伝えすることが出来ましたが
自身が話している時以外の表情や手の仕草も弱さもある優しいモエ、細かな所まで確かにモエでした。

お芝居では当たり前なのですが、その時主役を演じている役者以外の人の第3者の演技がより主役の演技を自然で強調してくれるんです。

この二人の関係だけは、他のペアとは違い相反するものではないのでお互いに際立て、競ることは難しい役だと思うのですが

今回の美月先輩が強くなったことで、モエの違うところが見えたように

話すスピードや間の取り方で、モエよりも強い女性を演じられると、また違ったモエも見ることが出来るのでは
と楽しみです。

ダメだし2つ
*ドアの音のタイミング。演者が音を待っているという場面が多くあったように思います。
*前説、(楽しいので)ボケるところは多くあってももちろんいいのですが、ちょっとグダグダ過ぎのような。
例えば、
メリハリをつけて、前説の最後に、3人で揃えて「それでは、劇団MONA公演『タカラモノ』お楽しみください」綺麗に礼をしてステージを譲る。
これだけの事だけでも前説で楽しませてもらったという気持ちにもなれ、観る側の気持ちも切り替えやすくなると思うのです。


劇団MONA
まだまだ成長することを期待!

初めて見た人にさえ、心に何かを伝えられる。そんな素晴らしい作品を作っていって欲しい。
今、公演出来る箱も失くなったりしています。
ひとりでも多くのかたが、舞台観賞する楽しさを覚え舞台を見に行って欲しいです。

「劇団MONAの舞台を見に行って、観るのが好きになった。それから他のも見に行ってる」
そんな人が増えることを願います。
モックが、ある舞台でそうだったように…