オムニバス3つの作品。
ひとつ目の作品は
「探る女」
カップルと、カップルの主にその女性の心の内の善(天使)と悪(悪魔)の部分の心の葛藤を描く作品となっています。
劇中にこのふたりが行う「ロミオとジュリエット」
実際のロミオとジュリエットの主人公ロミオは16歳、ジュリエットが14歳なのですが、
このふたりが成人していたなら…
三十路だったら、老人だったらとの件はまるで漫才を見ているようで、漫才のネタとしても十分なんじゃないかと…、ホント笑っちゃいました。
彼氏の優斗役(田中美咲さん)、彼女の瑠香(サトウカレン)のふたりでM-1あり?
結論としては、携帯は見てはいけません(笑)
ふたつ目の作品は
「愛梨と母と姉」
施設で育った愛梨、その横には母と姉が…
施設で6歳の時、何も分からなかった私達は、いつも笑っていた。
親もいない私達には仲間だけが真実だった。無邪気に笑っていた時間は強く心の中に残っている。
ひとりじゃなかったのは仲間がいたから。
子供だから乗り越えられた。ただ笑っていた。どんな時も…、あなたは今笑っていますか?
大人になりいつしか笑えなくなった愛梨に、母と姉(もちろん幽霊で)が笑顔と行動する勇気を与えるドラマです。
突如砂漠に行ったり、宇宙人が出たり、ディズニーのキャラクターが現れたりと、ハチャメチャな展開もある中
最後はしっかりとお涙頂戴の場面も!
その中で印象に残った台詞
生きているとね、嫌になるような日が絶対にやってくる。辛くて辛くて、苦しくてたまらない日もある。
でもね、長くは続かない。動き出してしまえば…。
こうすれば良かったとか、ああすれば良かったって思いほど、引きずるもんはない。そういう思いは一番長引く。だからね、思うことがあるなら、行動してみれば?
普段とお芝居の時のギャップが凄い中井静華さん。
若いのに母役の大坪知愛(ちあき)さん、姉役の若尾保賛奈さんが違和感が全くなく演じられているのがとても印象的でした。
最後の作品は
「もし・・・」
こちらはベテラン3人のお芝居。ベテランと言っても皆さんお若いですよ。
大学生時代に知り合い付き合いだすふたり。
ふつうに見える行動でも、ふたりの中では特別な世界となる。
そんなふたりも社会人となり1年。
嫌いになったわけでもないのに別れの時が…。
そんな切なくなるようなお話しです。
舞台では、多くの名言、印象的な言葉が出てきます。
この舞台紹介では、そんな言葉(台詞)を拾っていきたいと思います。
その1
世界には約72億人の人間がいて、そのうち日本の人口は約1億3千万人。一般の人が一生のうちで出会う人の数は、約3万人。
その中でも近い関係になるのが、3千人 。
さらに親しく会話をするのが300人。
友人と呼べるのが30人。
生きていれば絶対に人と関わるでしょ?
学校とか職場とか!人と出会う機会なんてたくさんある。
自分から動けば人と関わることなんかいくらでもある。
でもさ
その中でも大切にしたい、大切にされたいって思える人ってどのくらいいるんだろう。
そんな人に出会える確率って何パーセントなんだろう。
その2
たくさんの時間を共に過ごした二人。
周りから見ればくだらない会話も、二人にとってはきっと大切な時間で、常に二度とはかえらない時の中で、交わす言葉の一つ一つが、愛しい優しい思い出となり、記憶として体に刻まれる。
しかし問題は継続していくこと。
何事も継続は難しく、時が経つと、本当は当たり前ではないことも当たり前に思えて、人は大切なことを見失う。
時間が恐ろしいものにもなる。
その3
人はいつから素直になることが難しくなるんだろう。
子供の時は素直に、無邪気に、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いって言えていたはずなのに、大人になればなるほど
「我慢」「抑圧」「世間体」「思いやり」「不安」「嫌われたくない」「邪魔になりたくない」いろんな思いが
自分を縛り、身動きすらとれなくなる。
その4
もし、あの時…
「もしああしていれば」と思ったところで、もう二度と戻らない、残酷なもの。
しかし、人は学ぶことが出来る。
痛い思いをすれば、同じ過ちをおかさぬ様、することが出来る。
このように台詞だけでも、とても心に訴えかけてくるお芝居だったことが分かると思います。
さらにそれに演技が加わると身震いするくらいのものに変わるのです。舞台って凄いですよ。
結局はふたりは好きなまま、自分の気持ちを隠して別れてしまいます。
もし転勤を選ばなければ、もし両親へ健康の心配よりも彼の気持ちを優先させたなら、
けっして間違った選択でなくても「もし…、ならば…」
笑いを入れながらしっかりと盛り上げるところは盛り上げる、さすがの空組代表の空山知永さん。
空組のカッコいい男役と言えば卯津羅亜希さん
そして、こんな彼女だったら…エエなぁ
元空組の岡田由紀さん
とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
空組の舞台は、ほぼ女性だけ出演の舞台となります。そして多くの女性の方もお客様として観に行かれています。
笑いも、涙も、そして目の前で迫力ある演技が観られます。
女性の方も、舞台観に行ってみたいなって思われた方もぜひ観に行ってください。