大阪日本橋にあるインディペンデントシアター2ndで7日~9日に公演の
彗星マジック21景
「ヒーロー」長篇
H.I.D:Eハイド
先ずは予告編

あらすじ
現代から30年程前、突如、怪人や怪獣が現れた。
政府はそれらを【壊滅災害】として認定し、国家公務員職に【壊滅災害】を打倒するための職種【特別任務官(通称ヒーロー)】を追加、【壊滅災害】への対応を実施した。
これは、最初に【壊滅災害】が出現した時に、一般公務員が素手で打倒。【壊滅災害】に致命的なダメージを与える手段は生身での攻撃のみと判明したため。

その任務の危険さから、家族や恋人にも正体を明かさず、【特別任務官】たちは日夜【壊滅災害】の打倒に明け暮れた。

しかし縦横無尽に暴れまわる【壊滅災害】の被害は凄まじく、潤沢に用意されたかに見えた予算も瞬く間に底を尽き、また【壊滅災害】の出現は不確定要素が高いということもあり、政府はその任務の特殊さを理由に【特別任務官】の給与を固定給から歩合制への変更を提案。

「命をかけているのにそんなひどい話があるか」と【特別任務官】も声を上げるも、正体を明かせない匿名性から「歩合制こそが公平」という世論に押し切られ、歩合制に変更となった。

こうして地域によって「裕福で忙しいヒーロー」「貧乏で暇なヒーロー」が誕生、
格差社会は【壊滅災害】によって拍車がかける形となった…。

と、ここまでが今回の舞台にいたるまでのあらすじとなっています。(月刊彗星マジック「ヒーロー」ということで、4・5・6月に公演)


正義の定義って何だろう?
「正しい道理。人間行為の正しさ」
モックの時代だと、仮面ライダーやウルトラマン。
その頃は普通に楽しんで見ていたけれど。
世界や地球を征服しようとする「悪」を「ヒーロー」が戦い倒していくという話ですよね(略し過ぎか)
侵略といっても、例えばウルトラマンの怪獣が他の星で住めなくなり新たな住める場所を求めて地球に来たとして、その星の怪獣たちにとってはその怪獣(地球に来た)は一概に「悪」とは言えませんよね。

正義とはあくまでも一方から見たものであり、しかも人間からみたものである。そんな考えがこの舞台の根本にあったように思います。




【格別任務補佐官】無限オメガ子役の
米山真理さん(彗星マジック)
【壊滅災害】に対して有効な「超能力」を有する最上級職の【格別任務官】のスケジュールや体調管理などバックアップが主な業務。
で、事務方と思われますが、なかなかアクションも凄い。

*あらすじにも見えるような難しい言葉や名前などを舞台中には、まくし立てるように説明してくれそこで、これまでの月刊彗星マジック「ヒーロー」を見られてない方にも解りやすくしてくれたお姉さんです。


西宮因(にしみやちなみ)役の
池山ユラリさん(彗星マジック)
彼女も人型【壊滅災害】。
一時期記憶を失い、その際は無限オメガ子と嵐ヶ丘秋、青山種子、御国偉人ら【特別任務官】たちと一緒に暮らしていた。
記憶を取り戻した彼女は、インターナショナルバイオメトリクス社の社員であった。

今回の主人公、御国偉人(おくにたけひと)
*幼少時に人型壊滅災害として地球に飛来。特別任務官に保護され日本に帰化。自らも任務官となる
ちなみは、インターナショナルバイオメトリクス社側にいるのではなく、自分達の側にいるべきだと信じ、彼女を連れ出そうとする。

人には人の「正義」があり、インターナショナルバイオメトリクス社にはインターナショナルバイオメトリクス社の「正義」がある。

【壊滅災害】でもあり、【特別任務官】でもある両方の気持ちが分かるたけひと。
何が正義で何が悪なのかは分からない、しかし彼は…。



全体でのアクションシーンや、本物の【特別任務官】と偽物の【特別任務官】とのシンクロ場面など見所はたくさん。
笑いどころもたくさん。
大阪弁で色々とギャグをやっているのですが、何故かスベっているようにしか思えないインターナショナルバイオメトリクス社企画課課長役の泥谷将さんもいいアクセントとなっていたように…(気のせい?ww)
たけひとの気持ちの変化などもよく出てたように思います。悩み、苦しみ、それでも戦う。

笑顔!

心の底から出て来る笑顔。そんな笑顔が見たいからみんな戦っているのかもわかりませんね。

みんながみんなはまり役。そんな風に感じる舞台でした。