なんや、この生き生きした目は!!


芸術家同士の夫婦で、芸術性も似ており、夫婦であり同士という密接な間柄でした。
しかし才能までは同じとはいかず、夫はどんどんと前に進んで行くのに、智恵子は色盲というハンデなのか落選してしまう。芸術家として、夫との落差に思い悩むようになります。
一方で実家が破産。一家離散となります。さらに元々肺を患っており、それも悪化。様々な悩みを抱えた智恵子は、やがて自殺未遂まで起こしてしまいます。ついには、統合失調症のような状態になり、精神病院に入院となります。
ですが光太郎の賢明な介護もあって、精神状態はかなり回復します。しかし肺の方はさらに悪化。ついに結核となり、治癒もかなわず最後は夫に看取られる事となります。

ここに登場する夫光太郎が、妻智恵子について結婚前から彼女の死後までの30年間の間に書いた
「詩、短歌、散文」を収録したものそれが「智恵子抄」であり、彼女の死後3年に刊行されました。

そんな智恵子の中学生の時から死後までを舞台化したのが今回の「売り言葉」なんです。

作  野田秀樹
以前に作・演出を野田がし、大竹しのぶが演じたことで有名になった作品でもあります。

今回「芸術創造館」でおこなわれたこの舞台は、演出を外輪能隆氏がしています。

一人芝居と二人芝居がありましたが、モックが観賞したのは一人芝居。
出演は
澤井里依

裕福な家に生まれ高校に進学を親にお願いするそんな場面から物語は始まります。

そんな彼女が現れ、近づいてきた時の目が今までに見たこともないくらい実に生き生きしたようにモックには見えました。
それはライトを浴びているからというのではなく、智恵子が生き生きしていたのか
澤井自信がお芝居をするということに生き生きしていたんだと思います。


約90~100分くらいあるお芝居。それをひとりで。
台詞も半端ない上に、智恵子の生まれ故郷である福島県の方言
「智恵子抄」の詞や短歌・文章の引用文なども多いためアドリブでというわけにはいかない。


それに加えて
この物語のナレーターとしての存在の女中役、今川焼を売っている芸術家を名乗る女性
一人だけでも大変な中、何役もこなさなければならなかったんです。
こんなの普通には覚えることなんて出来ません。少なくてもモックには…

約40人の観客が、そのひとつひとつの台詞をしっかりと心に感じていました。
観賞の前に飲んだカフェオレのせいなのか、静まり返ったこの空間の中ではお腹の音が自分自身気になるくらいの音に聞こえました。

澤井ちゃん、よほどお芝居(人を演じること)が好きなんだろうな。


ステージはいたってシンプル
小道具とよべるものは、自転車のみ。
 
あとは照明と舞台後ろにある白い簾のような幕を使いあらゆる場面を演出していました。


光太郎の描く「智恵子」であろうとする程に、どんどんと離れていくその像から離れていくことを思い知る智恵子。
遂には精神に破綻をきたしてしまう。


結婚するまでの明るく活発な顔、結婚してからの大人の顔、苦悩する顔
智恵子の何種類にも及ぶ顔を見ることが出来ました。

この長い時間(短く感じましたが)、前半は陽のパワー、後半は内に込めた陰のパワー
舞台の上を転がり回り 、後半には自転車の上にまで立ち上がりと
彼女のあの小さな体のどこにそんなパワーがあるんでしょう。
走るのが好きで、マラソンにも何度も出場というのもこの為なんでしょうか?

とにかく
彼女は間違いなく舞台バカです



舞台のあとは、普通の澤井ちゃんに戻って


「アゲぽよポーズ」で!
このあとも「どっこいしょ、澤井」になってポーズしていました。


関東の皆さんにもぜひ彼女の舞台を見て欲しいです。
モックも見た『メビウス』(二人芝居)
オススメです。

星池袋演劇祭参加作品


LINK'Sプロデュース『メビウス』


三浦さんとのメビウスを

東京にて上演させていただけることに

なりました!!


9/28  (木)20:00〜

9/29  (金)20:00〜

10/1  (日)17:30〜


会場シアターグリーンBACE THEATER




澤井扱いのチケット受付はこちらから

https://ticket.corich.jp/apply/84844/004/



詳細はこちらにて

http://seasonpremiere.web.fc2.com/index.html