名探偵西中島南
布施PEベースにての公演
あらすじ
雪で閉ざされたペンションで起こった殺人事件。
その謎を解き明かす探偵西中島南。
果たして南はこの謎を見事に解き明かすことが出来るのか!?

というお話。


ここからは千穐楽も無事終了しましたので、完全にネタバレ含みます。
↑この九曜社さんの『X』でのポストでもわかるのように犯人は『宮原』だとわかっています。
しかも本番でも探偵西中島南(和泉有真)が、犯人は『宮原』だと言って、そこから話しが入っていくのです。
『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』のように犯人がわかっていてそこから完全犯罪と思われる事件を、犯行のちょっとした違和感、犯人との駆け引きによる矛盾などを解き明かし事件を解決していく。そんな展開かと···想像していました。
中盤から後半にかけてまでは全くその様な想像通りの展開。
前半は個性豊かな登場人物による笑いもタップリ。
そしてシリアスな推理。物語は飽きることなく最後まで楽しく観ることが出来ました。

無口、いや只々声が小さな元医者のペンションオーナー向日穏、
オーナーの妻であり、妙に「シェフ」という言葉に拘る素晴らしい料理人岩本やすあきと不倫?超男好きの温森あかね
富豪のお嬢様中谷桜
IT社長才門大士
双子の姉妹岡本菜沙、田丸千弘
不思議な女百崎さわ
インフルエンサー猫柳ルカ
オカマ白石朔太朗
そして殺されたエロい作家牧野真人

※本来は役名で書くのですが、ここを隠しての話なので。設定と実際の出演者さんの性格等とは関係ありません。

牧野さんはすぐに殺されていたので、『犬神家の一族』での犬神佐清のような雪に埋まった死に方以外はあまり笑いには関係なかったのですが
陰であり静の向日さんに対しての、動の温森さん。
何故かこの明るさで憎めなかった。
そして元気すぎる中谷さん、ちょっとうるさ過ぎましたがこの中谷桜さん笑えたし好きやわぁ。
最初から最後までオカマ、嫌な雰囲気を感じさせずの微笑んで見られた朔太朗さん。

こういう笑いの中で

今どきのインフルエンサーのイメージそのもの猫柳さん、有名なというのを翳して嫌なイメージから最後はちょっとカッコいいなぁへの転換は良く出来ていた。
怪しさを感じさせるIT社長にシェフ、不思議な女、双子の姉妹と陰陽の割合もよく、皆さんその役柄を見事に演じていたと思う。

そして一番はやはりこの人
和泉有真さん
前説的なところから無理なくスムーズに1人喋りで笑いをとり、その行動姿勢はカッコよく、他の出演者さんとの絡みも上手く主人公としてしっかりと話作りが出来ていました。

最後に西中島の助手で大学院生、モデル役
今森愛夏さん
通常時のシーンと泣きのお芝居、この切り替えは素晴らしかった。
実際に見た印象、「顔ちっちゃ!」(もちろん褒め言葉)

そして、そして
これは想像出来なかった!!
主人公が殺された。
しかも、エンディングで命は取り止めたではなく完全に。
最初の画像を見て欲しい。たしかに西中島シリーズ①
次の作品も観てみたいと感じたのに?
この事件がある前の設定となるのだろうか?

話は解決したが、主人公が死んでしまった。暗くなりそうなエンディング
だが、朔太朗さんのセリフ
「私の名前は岡間(オカマ)です」
これで少しは救われたような気持ちとなった。

本当によく出来た話でした。