親父がずーっと使っていた思い出の物を直してほしい(1) | 木が大好き木工職人 星野佳一のブログ

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星野木工所2代目です。地元の富士市の方から信頼される木工所を目指してがんばっています。
日ごろ感じたこと、思ったことなど自由に書いています。

こんにちは、木工職人のよっちんです。

すっかり、春になりました。
富士山はだいぶ雪が溶けてきました。

工場の前のボタンの花も咲いています。(散り始めてる

とっても気持ちいいのでブログを書こうと思います。

先日、子供の頃よく通っていたお菓子屋さんから、小物入れを直してほしいと頼まれました。
このお菓子屋さん、子供の頃おばあちゃんが経営してたんですが、この間までそのおばあちゃんが経営してたんです。
ビックリです。
90歳位になるんじゃないでしょうか。

「よっちゃん、ジュースばっかり飲んじゃだめだよ、お腹壊すからね」

なんて言われたものです。

そのおばあちゃんが先日倒れてしまって、お店を辞めてしまうのかな?と思っていたところ、息子さんから連絡がありました。

何でも、親父さんが店をやっているときに使っていた小物なんだけど、なおしてほしいとの事です。
親父さん?僕は知りません。
たぶん50年それ以上は使っているもと思われます。

んーーー、なかなか使い込んであります。

 
  あまりにも汚れていて、なんの木かわかりません。

天板は、割れて盛り上がってしまっていたり、シミもひどい
横も左右割れている
 

引出もがたがたで動きも悪い。

どうしようと思いました。

息子さんと言っても、70歳前位と思われますが、その息子さんが

「親父が使っていたんだよねー、ボロいけど捨てられなくて、なんとか直してくれないかな」

と言われると断れませんでした。 

いくら歳をとっても親のことは、忘れられないようです。
どんなにぼろくても、どんなに汚くたっても、人から何と言われても捨てられない物は捨てられない。それは、どんな高価なものにもかえられない。そんな風に感じました。
それが、なんとも言えなくて。

できる範囲で直すことにしたわけです。

つづく