どちらも読み応えある、骨太な内容です。
1冊目はこちら。
「突破する力」青春出版社
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41mxn%252BqsgDL._BO2%2C204%2C203%2C200_PIsitb-sticker-arrow-click%2CTopRight%2C35%2C-76_AA300_SH20_OU09_.jpg)
1 壁を打ち破るには「頭」を使え
2 自分の最大の武器は、弱点の中にある
3 成果につながる努力、無駄に終わる努力
4 10人の知人より、1人の信頼できる味方
5 いくら稼いだかなんて、2流の発想
ロジカルシンキングという言葉はまったく出てこないのですが、
猪瀬さんがこの本で伝えたいことは、
ロジカルシンキングだと理解しました。
カツマーの私からすると、
目の前の壁を乗り越えるには腹を据えて正面から逃げずに取り組むという姿勢は、
「易行はない」という勝間さんの言葉と重なるものがあります。
猪瀬さんは別の著書で勝間さん著「断る力」を批判されていますが、
猪瀬さんは、
「食わず嫌いでなく、とにかくやってみて経験を積め」(もっこす野郎要約)ということですし、
勝間さんは、
「実力をつけないと得意な分野に集中するために苦手で価値を出せない分野を断れない。
そのためにとにかく打席に立つ。」(もっこす野郎要約)という点で、
基本的には両者とも同じことをおっていると思います。
心動かされた部分:
▼群れることなく孤独を抱え、徹底的に仕事と対峙した先に希望が見えてくる。
▼横並びを強制する社会では、誰も新しいことに挑戦しなくなり、進歩が止まる。
▼不調は二つの種類。
1)自分に原因がある不調
2)外部環境の変化が原因
冬山登山で天気が悪化したらビバークするのと同様、やり過ごす。
大事なのは再び歩き出す準備をやめないかどうか。
▼問題を解決する思考力は、頭の持久力で決まる。
成功するまでやり続けるから成功する。
▼人生はトーナメント戦ではなく、リーグ戦。
▼「評価してもらう」のではなく、「評価させる」。
▼味方の作り方は、論理とデータで1対1で説得すること。
小が大に勝つには、相手の弱点を1点集中で攻める。
戦車軍団にスナイパーが挑み、狙いを定めて先頭の戦車を止めるようなもの。
▼逆風の中で空気に流されずに自分の意見を主張し続けられるかどうか。
▼公共性
1)行政が担う公共性
2)ボランティアとしての公共性
→少子高齢化、小さな政府で2のほうが重要に。
でないと1の行政が肥大化し、増税へ。
▼言葉をすべて一度肯定にしてみる。
例:「25歳を過ぎたら転職は無理」→「25歳だからこそ出来る転職もある」
目からウロコの言葉がたくさんでした!
2冊目はこちら。
「言葉の力」中公新書ラクレ
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51-bOGWzJSL._SL500_SS100_.jpg)
第一章 「言語技術」とは何か?
第二章 霞が関文学、永田町文学を解体せよ
第三章 未来型読書論
勝間さんのロジカルシンキング、
佐藤可士和さんの「言語化」と同じコセプトという印象。
右脳はロジックで左脳は感覚という議論がありましたが、
感覚も実は論理がなければ成立し得ないということもまた事実だと思います。
一度言葉にする作業は、
頭の整理の上でも重要な過程です。
ロジカルシンキングを学んでいる私にはタイミングの良い勉強本になりました。
心動かされた部分:
▼自分と違う存在の「他者」の認識がなければコミュニケーションとは言えない。
日本人は同質のチームワークは強いが、異質のチームワークは弱い。
→価値観の異なる相手と対話により問題を解決する必要。
▼よい文章は、必ず映像が浮かぶ。
▼他者への理解と説得力を磨くには、
言語技術に基づいたチームワークを身につけることが必要。
▼言葉のキャチボールは、相手を否定することではない。
やり取りの中で問題点を絞り込む。
▼元来口べたな日本人にとって身につけるべき大切な言語力は、
「知らない人とも平気でおしゃべりできる能力」。
▼説明にはルールがある。
言語技術では、概要から詳細、全体から部分へ、大きい情報から小さい情報へ。
▼ファクトと分析を言葉で語ることの出来るジャーナリストが多数いれば政治は良くなるはず。
▼大言壮語:「AはAである」を繰り返すだけ
作家:「Aでありながら、つねにBでもあった」 印象深い。
いかにして無駄を捨てるか。
▼文章とは何かというと、引用が出来るか、
内面に浮かんだことを既にある作品の表現や事実と結びつけられるかどうかがすべて。
▼ある現象のバックグランドがわからなければ、今起きていることちつなげることが出来ない。
コメントをとっても、背景とつなげて記事にすることが出来ない。
▼1970年代以降、年功序列/終身雇用は生活の安定を提供したが、
大多数がサラリーマンというローリスクの勤め人の道を選ぶことになった。
わが社は我が藩と同義語となり、
ふたたびローカルな帰属感に充足しはじめたのである。
日常は旗本(官僚)たちに委ねられた。
▼ツイッターは自体は発信源ではない。
情報を一気に広げること。
既存のメディアを駆逐するのではなく、補強し増幅する特性。