ひらめきミイ子「ハロウィンの時期だし、たまにはホラーの話でもしようよ!」

 

ニヤニヤマリカ「いいわよ。最近何か観た?」

 

ニコニコミイ子「『アッシャー家の崩壊』」

 

真顔マリカ「ああ、あのNetflixのゴシックでドロドロしてそうなやつ?タイトルだけでも胃もたれしそう。」

 

ひらめきミイ子「いやもう、最高だったの!観終わったあと、背筋ゾクゾクなのに気分スッキリ!」

 

真顔マリカ「ホラーでスッキリってどういうこと?あなた、心のデトックス方法バグってない?」

 

ひらめきミイ子「違うの!前に『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』ってドラマを観たの。製薬会社が人々を薬漬けにして儲けてたあの実話ベースの話。」

 

真顔マリカ「覚えてるわよ。あれ見てからあなた、『風邪薬にも裏がある』とか言いながら龍角散に説教してたからね。」

 

不安ミイ子「だってあのドラマ本当に心えぐられたんだもん!でもね、『アッシャー家の崩壊』は、そのオピオイドで儲けた一族が報いを受ける話なの!て言っても続編じゃないからね。私がただ同じ一族だと思ってるだけ。」

 

真顔マリカ「なるほど、社会派ドラマで怒りを蓄えて、ホラーで復讐のカタルシスを得たわけね。感情のサンドバッグ構造。」

 

ひらめきミイ子「まさにそれ!彼らが一人ずつ、罪に見合う形で崩壊していくの。しかも演出が美しいのよ!まるで悪夢の中の絵画みたい。」

 

ニヤニヤマリカ「恐怖と美が共存してるやつね。地獄に美術館があったらそんな感じ。」

 

ニコニコミイ子「そうそう!しかも一人ひとりの死に方が象徴的で、ポーの原作エッセンスも効いてるの。『あー、やっぱりこうなるか』って納得しちゃう。」

 

ニヒヒマリカ「納得しながら人が崩壊するの見るって、なかなか倫理観のジェットコースターね。」

 

ニコニコミイ子「でもさ、あれ観たあと、悪は栄えないってちょっと信じられたの。ホラーで希望を取り戻す日が来るとは思わなかった。いやほんと、スカッとした!『DOPESICK』で溜まった正義のモヤモヤを、お化け仕立ての復讐劇で浄化できたんだもん。」

 

ニヤニヤマリカ「なるほど。あなた、心の中でずっと薬害企業を呪ってたのね。」

 

ニコニコミイ子「ちょっとだけね。軽いのろい。」

 

ニヤニヤマリカ「軽くても効きそうで怖いわ。」

 

ニコニコミイ子「でもあの監督、マイク・フラナガンってやっぱ天才だよ。暗闇の奥まで計算されてる感じ。怖いのに、ずっと見ていたくなる画なんだよ。『ホーンティング・オブ・ヒルハウス』もそうだった。彼の作品って、幽霊が出るだけじゃなくて、傲慢さや猜疑心みたいな家族の負の性格がそのまま恐怖になって迫ってくるのよね。だから後からゾクゾクくる。」

 

ニヤニヤマリカ「幽霊よりも家族のドロドロ具合が一番のホラーって感じ?まるで私の家族LINEね。」

 

真顔ミイ子「え?マリカの家族ってそんなドロドロしてるの?」

 

ニヤニヤマリカ「アッシャー家ほどではないかもしれないけど。」

 

知らんぷりミイ子「ふーん。で、マリカのおすすめは?」

 

ニヤニヤマリカ「私?今も昔も変わらず『チャイルド・プレイ』よ。」

 

ひらめきミイ子「あ、チャッキー!懐かしい!あの憎たらしい顔した殺人人形!4なんてホラーというよりブラックコメディだったよね。」

 

ニヤニヤマリカ「そう。ホラーなのに、あの人形、もはや人生の教訓よ。」

 

真顔ミイ子「どんな教訓なのそれ?」

 

ニヤニヤマリカ「“甘く見た存在ほど、最後には必ず牙を剥く”。」

 

真顔ミイ子「怖すぎる名言ね。」

 

ニヤニヤマリカ「あとね、チャッキーの陽気さがいいのよ。あのテンションで次々人を殺めるって、まさに地獄のハイテンションアイドル。」

 

不安ミイ子「血飛び散ってるのに幼児の顔で“ハハッ!”って笑ってるの、怖すぎるって。」

 

ニヤニヤマリカ「そう。あのテンポ感がクセになるの。だって普通ホラーって“ドンッ”とか“キャー!”とかで驚かせるでしょ。でもチャッキーは、それプラス“喋りながら切る”のよ。セリフ芸!」

 

真顔ミイ子「確かにあれ、ほぼスタンダップコメディだよね。」

 

ニヒヒマリカ「そうそう。“ナイフで語る子供”って感じ。」

 

真顔ミイ子「いや、怖いから」

 

ニヤニヤマリカ「でもね、チャッキーって悪なんだけど、どこかまっすぐじゃない?欲望にまっすぐというか。人間の方がよっぽど計算高くて陰湿に思える。」

 

真顔ミイ子「でもあれ中身は殺人おじさんでしょ?」

 

ニヤニヤマリカ「まあ、細かいことは置いといて、物語の悪役って大抵それなりの同情する生い立ちや背景があるのに、チャッキーってそれがないじゃない。なのに憎めない彼って、ホラー界の奇跡だと思うの。」

 

真顔ミイ子「憎んでる人もいるとは思うけど、確かにそういうキャラはほかにパッと思い浮かばないかも。ホラー界以外でも。」

 

ニヤニヤマリカ「でしょ?そこがすごいのよこの映画。」

 

ニコニコミイ子「でもおもしろいよね。私のおすすめは“悪が滅びてスカッとするホラー”で、マリカのは“悪が生き生きしてて笑えるホラー”。」

 

ニヒヒマリカ「つまり私たち、倫理観のバランス取れてるのよ。」

 

知らんぷりミイ子「いや、取れてないでしょ。」

 

ニヤニヤマリカ「いいのよ。ホラーって、怖さの中に自分の正義と笑いを見つけるジャンルなんだから。」

 

知らんぷりミイ子「また妙なこと言い出した。」

 

ニヤニヤマリカ「妙なこと言う女はだいたい、顔がホラー寄りになってくのよ。」

 

ニコニコミイ子「うん、知ってる。マリカの顔、チャッキーに似てきてるもん。」

 

ニヒヒマリカ「じゃああなたはアッシャー家の遺産でも受け取っておきなさい。」

 

不安ミイ子「やめて!崩壊フラグ立つじゃん!」

 

 

 

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