ミイ子「はぁ~、今日、怒鳴られ貯金がまた一口溜まりました…。」
マリカ「ついに通帳発行レベル?で、何があったの?」
ミイ子「電車の中で、隣にいたおじさんの傘がずっと私のふくらはぎに当たってて。濡れてるし冷たいしで、丁寧に『すみません、傘が当たってて…』って言ったの。そしたら、『うるさい!このくらい我慢しろ!朝から文句ばっか言って!これだから今どきの若い者は!』って…まるで、私がクレームの鬼、若者代表みたいに言われた…。」
マリカ「そのおじさん、傘をふくらはぎじゃなくて心にぶっ刺したのね。」
ミイ子「私、そんな言い方されるほどのこと、してないよね…?」
マリカ「むしろあなた、優等生。言葉づかいも距離感も完璧。やさしい注意の教科書みたいよ。」
ミイ子「じゃあ、あのおじさん、完全に言葉の暴走族だったのかぁ…。」
マリカ「そうね。言葉のマフラーから騒音しか出てないタイプ。でもね、これが面白いとこでさ、同じ状況でも、おじさんの言い方ひとつで全然違う未来があったのよ。」
ミイ子「えっ、私のこの最悪な一日に別の可能性が…?」
マリカ「例えばよ?おじさんがこう言ってたら、どう感じた?『あ、すみません。ちょっと狭くて、当たっちゃってましたね。気づかずごめんなさい。傘ずらしますね』とか。」
ミイ子「え…?それ言われたら私、たぶん『いえいえ!お互い様ですよね!』ってなって、心がぽかぽかになって、むしろ親切な人だなぁって思ってたかも…。」
マリカ「でしょ?言葉って、ほんとに空気変えるの。たった一言で、敵が味方になる。」
ミイ子「じゃあ、今朝のおじさん、わざわざ味方を敵にしたのか…。もったいない…。」
マリカ「そう。正しさを武器にして人を責めるのは簡単。でも、思いやりで人の心を動かせる人が、本当に強い人なのよ。」
ミイ子「なんか…今の言葉、心に栄養くれる感じする。」
マリカ「秋だからね。私の中の人間観察ポエマーが旬を迎えてるの。」
ミイ子「どんな季節感よ…。でも、ありがとう。今日の私、言い返さなかった自分を責めてたけど、マリカの言葉でちょっと救われた。」
マリカ「言い返さなかったのは、あなたの強さ。暴言に暴言で返さなかった、それだけで上級者よ。非暴力のエリート。」
ミイ子「私、非暴力エリート…?なんか急にカッコよく思えてきた!」
マリカ「そう。言葉で暴れるのは誰でもできるけど、言葉で踏みとどまるのは勇者の仕事。」
ミイ子「じゃあ今度、傘当ておじさんにまた出会ったら、私は共感と冷静の剣で立ち向かう!」
マリカ「できれば、戦わずにスルッとかわして、こっちが先に降りるのがいちばん平和かもね。」
ミイ子「その戦い方、なんか忍者っぽくて好き!」
マリカ「そう。言葉の忍者になりなさい。傘よりも、心の間合いに気を配るのよ。」
ミイ子「OKマスター、今日も心の道場ありがとう!」
素直に、正直に、でも相手を傷つけずに話すヒント
1. 非暴力的にコミュニケーションする
言葉は、主に自分の要望を伝えるための手段です。他人の欠点を責めるよりも、自分が何を必要としているかを伝える方が、はるかに実りある対話ができます。そうすることで、むしろ望んでいたものが得られる可能性もあるのです。
たとえば、散らかった家にイライラするのは、自分が「整った空間」や「落ち着ける場」を求めているからかもしれません。
同僚が誰かの作った資料に不満を言っているなら、それは「自分の仕事をうまくやりたい」「自分の仕事を大切にしたい」という気持ちの現れかもしれません。
パートナーのそっけない態度にイライラするのは、「関心を持ってほしい」「愛されたい」「受け入れられたい」という欲求から来ているのかもしれません。
2. 「なぜ?」のつく疑問文をを避ける
「なぜ?」という問いは、物事の本質を探る上で重要な疑問文です。しかし、日常のコミュニケーションでは注意が必要です。
多くの「なぜ?」は、問題の原因を自分の外に求めてしまいがちだからです。
代わりに、「何が起きた?」「何が起きてる?」「これをどう受け止める?」「どうする?」といった問いを使うことで、より前向きで解決に向かう対話が可能になります。視点を自分に戻し、今ここからできることに意識を向けましょう。
3. 明日をよりよくするために話す
言葉は今日を台無しにするための武器ではなく、明日をより良くするための道具です。
話す時は、一時の感情に流されるのではなく、相手とより良い関係を築くために何を伝えるべきかを考えましょう。思いやりある言葉は、信頼や共感を育み、日々の人間関係を豊かにしてくれます。
