ニコニコミイ子「は~、やっぱりマリカといると楽なんだよね~。なんか、変に気取らなくて済むっていうか、素でいられるっていうかさ。」

 

ニヤニヤマリカ「それはありがとう。でもまあ、ミイ子に気取るって概念が存在するかは謎だけど。」

 

ちょっと不満ミイ子「ちょっと、それどういう意味よ~!」

 

ニヤニヤマリカ「褒めてるのよ。あなたは素の達人。こっちはそれに巻き込まれて、虚飾を脱ぎ捨てざるを得ないってだけ。」

 

真顔ミイ子「マリカでも素の自分じゃない時があるの?」

 

真顔マリカ「あるわよ。仕事中はね、私の素は、静かな湖の底に沈めてあるの。水面に映る月の顔だけ見せてるのよ。つまり、もっとマイルドってこと。」

 

真顔ミイ子「マリカは器用だから、匙加減得意だもんね。でも、職場の人ら、もったいないわ。マリカの本編見てないんだから。」

 

ニヤニヤマリカ「いつ見せようかと、機会うかがってるとこよ。」

 

ニコニコミイ子「みんなどんな顔するか楽しみ。それにしてもさ~、ほんと不思議なんだよ。他の人との関係だと、つい気を使いすぎたり、カッコつけたりしちゃうのに、マリカ相手だと、ちゃんとしてるフリしようって気が起きないの。」

 

ニヤニヤマリカ「それ、たぶん“感情的安全性”ってやつ。心理的セキュリティーシステムが万全な関係ってことよ。」

 

ひらめきミイ子「へえ~、セキュリティソフトみたいな?」

 

ニヤニヤマリカ「そう、ウイルスじゃなくて“評価”とか“否定”から守ってくれるやつね。で、それがあるから、自分のダメな部分も、面倒くさい感情も、怖がらずに見せられる。逆に、それがないと、ずーっと演技のまんま。」

 

真顔ミイ子「わかるー。たまに演じてるうちに自分でも本音がわかんなくなるんだよね。あれ疲れる。」

 

ニヤニヤマリカ「演技を続けるのは特定の舞台の上だけでいい。他のとこまで舞台にしちゃうと、心はすり減る。観客も拍手してくれないし。」

 

真顔ミイ子「鋭い指摘。」

 

ニヤニヤマリカ「ありがとう、切れ味命なの。」

 

知らんぷりミイ子「でもさ、今ふと思ったんだけど、あたしたちって、別に似てるわけじゃないじゃん?好みも違うし、テンションも真逆だし。でも、なんでこんなに一緒にいて安心するんだろ。」

 

ニヤニヤマリカ「それ、実は平等感よ。似てるかどうかじゃなくて、“どっちが上”とか“どっちが正しい”とか、そういう上下の匂いがしない。だから安心できる。」

 

ひらめきミイ子「うわ、それめっちゃ腑に落ちた。なんかさ、他の人との関係で疲れる時って、比べられてる気がしたり、相手に合わせなきゃとか、自分がちゃんとしなきゃって思わされてる時かも。」

 

ニヤニヤマリカ「人間って、見た目や肩書きやらで自動的にヒエラルキーを作っちゃいがちだからね。でも、本当に心地いい関係って、そういう装備を全部取り払って、ただの平等な人間同士でいられる場所よ。」

 

ニコニコミイ子「だからマリカといると心地いいんだね。そういえば最近読んだんだけど、幸せとか健康って、人間関係にめっちゃ左右されるんだって。友達関係がいいと、長生きする確率も高いんだって!」

 

ニヤニヤマリカ「そうね、人生って案外、誰と過ごすかで大半が決まる。仕事で成功したり、金銭的に恵まれることも悪くないけど、自分がありのままでいられる誰かといるほうが、ずっと豊か。」

 

ニコニコミイ子「あ~、うんうん、わかる~!それ聞いて、ますますマリカとの関係、大事にしたいなって思ったよ。」

 

ニヤニヤマリカ「私もよ。だから、急に丁寧語使いだしたりしないでちょうだいね。怖いだけだから。」

 

ニコニコミイ子「わかった、いつも通りでいくね。ノリと勢いと、あとちょっとの涙腺で!」

 

ニヤニヤマリカ「涙腺が隠し味。その匙加減が愛おしいのよ。」

 

 

人間関係は、私たちが人として生きるうえで欠かせないもの。人は一人では存在できず、他者との関係の中でこそ自分を感じ、人生に意味を見出します。そしてその質は、私たちの幸福感や生きる満足感に大きく影響します。

中でも、本当の自分でいられる関係は、心に深い安心と充足をもたらしてくれるものです。そのために必要なのは、互いの間にある無条件の対等さと、感情的な安全です。つまり、評価や比較の不安なく、自分の弱さや未熟さもさらけ出せるような関係が求められます。

そうした関係では、うれしいことだけでなく、つらい時やすれ違いの瞬間も自然と共有され、乗り越えることができます。衝突や痛みがあったとしても、それが関係を壊すのではなく、むしろそれを通じて理解が深まっていくのです。

また、人間関係の土台にはマナーや会話のスキルも大切ですが、それだけでは生まれない、言葉では説明しきれない何かがあります。それは感覚、直感、エネルギー、心の奥で感じるつながりであり、人と人が本当に通じ合うときにだけ生まれるものです。

私たちはそれぞれ異なる存在でありながらも、人としての価値は誰もが等しいものです。どれだけの知識や地位があるか、どんな暮らしをしているかではなく、誰もがそのままで尊重される存在であるという理解が、心地よい関係の前提になります。

人生を豊かにするのは、何を持っているかではなく、誰とどのように関わっているかです。本当の自分でいられる人間関係を大切にし、そして自分自身もまた、誰かにとっての安心できる存在であろうとすることが、よりよく生きるための土台になるでしょう。