初演は東日本大震災の直後でした。
私は、千葉の自宅の中がぐちゃぐちゃになってしまったので、その後始末もあって観に行けなかった記憶があります。
今回はトリエ・Aプロデュース山口茜さんの演出。
いやはや、仕事を終えてタクシーで駆けつけた甲斐が何倍もありました。
田辺さんの作品は会話劇なのですが、語らない部分がj実にたくさんあって、そこが観る者のイメージを膨らませてくれて、奥がぐっと深くなります。
しかも山口さんの演出に、卓越した役者陣の演技が素晴らしく、あっという間に観終わってしまいました。
細かい細かいところまで、ちゃんと作り上げているというのが特にすばらしかった。
たとえば、死んだ人に遺影を模した木枠を持たせるのですが、その遺影をくぐろうとする役がいたり、枠に上着をひっかけている役もある。すべては類推できないが、すべてに意味がある。
特に私が気になったのは、布の使い方。
大きな巻き取った布を竹ち代さん演じる船員が、ポイントポイントで少し切り取って袖に消えてゆく。
ずっと気になっていたので、アフタートークでその意味を聴いてしまいました。
演出の山口さん曰く「これは絶対に観る人にはわからないのですが、あれは後で上から落ちてくる『兄』のズボンなんです。」・・・
これがただの「意味不明で難解な芝居」だったら、「はああ、なにゆうとんのじゃ?」なのですが、そうならないのは、語る部分と語らない部分のバランス感覚が絶妙なのでしょう。
観る側の創造の範囲をあえてポイントポイントで残す。
全て任せてしまうのは無責任。でも、バランスよく残すところが絶妙な面白さを生み出すのでしょう。
さて、錚々たる役者陣に交じって、西一風後輩の田中次郎君と飯坂美鶴妃さんは本当によく頑張ってました。いい演技していました。
正直、相当稽古は大変だったろうし、胃に大穴があきそうだったのではないかと想像できます。
でも、このお芝居がまたこの二人を大きくするのだろうなと思います。
学生時代から観ている二人。もっともっと大きくなって欲しいなと思います。
写真はわかりにくいですがアトリエ劇研の看板です。
私は、千葉の自宅の中がぐちゃぐちゃになってしまったので、その後始末もあって観に行けなかった記憶があります。
今回はトリエ・Aプロデュース山口茜さんの演出。
いやはや、仕事を終えてタクシーで駆けつけた甲斐が何倍もありました。
田辺さんの作品は会話劇なのですが、語らない部分がj実にたくさんあって、そこが観る者のイメージを膨らませてくれて、奥がぐっと深くなります。
しかも山口さんの演出に、卓越した役者陣の演技が素晴らしく、あっという間に観終わってしまいました。
細かい細かいところまで、ちゃんと作り上げているというのが特にすばらしかった。
たとえば、死んだ人に遺影を模した木枠を持たせるのですが、その遺影をくぐろうとする役がいたり、枠に上着をひっかけている役もある。すべては類推できないが、すべてに意味がある。
特に私が気になったのは、布の使い方。
大きな巻き取った布を竹ち代さん演じる船員が、ポイントポイントで少し切り取って袖に消えてゆく。
ずっと気になっていたので、アフタートークでその意味を聴いてしまいました。
演出の山口さん曰く「これは絶対に観る人にはわからないのですが、あれは後で上から落ちてくる『兄』のズボンなんです。」・・・
これがただの「意味不明で難解な芝居」だったら、「はああ、なにゆうとんのじゃ?」なのですが、そうならないのは、語る部分と語らない部分のバランス感覚が絶妙なのでしょう。
観る側の創造の範囲をあえてポイントポイントで残す。
全て任せてしまうのは無責任。でも、バランスよく残すところが絶妙な面白さを生み出すのでしょう。
さて、錚々たる役者陣に交じって、西一風後輩の田中次郎君と飯坂美鶴妃さんは本当によく頑張ってました。いい演技していました。
正直、相当稽古は大変だったろうし、胃に大穴があきそうだったのではないかと想像できます。
でも、このお芝居がまたこの二人を大きくするのだろうなと思います。
学生時代から観ている二人。もっともっと大きくなって欲しいなと思います。
写真はわかりにくいですがアトリエ劇研の看板です。