努力クラブは私が京都の若手劇団で最も応援している劇団。
ま、私が応援したからと言って何がどうなるわけではないのですが、勝手に応援してるんです。

前回のコント公演はちょこっとだけ声の出演をさせて頂いたのですが、今回は完全にお客。

とにかく、どんどんダメになってゆく(と思っている)男がいて、その男の「家」が舞台。
その家の片隅に、布的なものが重ねてあるソファーのようなものがあり、どうやら、そこに誰かいるような気がして仕方がない。気になって眠れない。
仕事もずっと失敗ばかり。

その彼の部屋に次々と女性が現れて、ある人は励まし、ある人は仕事を辞めろと言い、ある人は罵り、ある人は・・・

その彼と女性たちの関係は、絶妙にリアルなのが秀逸でした。
ほぼ客席に背を向ける形の彼を演じる佐々木君。
その佐々木君と各女優陣との距離感に妙にドキドキしてしまう。

それは、佐々木君の仕事のシーンに全くリアリティがないことで逆に引き立っていました。

アフタートークでヨーロッパ企画の上田さんもおっしゃっていましたが、6人の女優さんのそれぞれの個性と魅力がしっかり出ていて、私としては、「忘れてしまっていた女性との距離感」をリアルに思い出させてくれました。

最初、これは「彼」の妄想なのだろうかと思っておりました。
観劇後1週間経って思うのは、実は「彼」のほうが複数いて、6つの「家」のシーンを重ねていたのではないかということです。

ま、そういうことで、合間合間で登場する「ポン引き」のシーンも説明がつくわけで・・・違うかな?

いやあ面白かった。
好きですね合田作品。
発想が面白いです。

また、観に行きたいです。というか、出してもらいたいななんて思ってしまいます。
迷惑でしょうけど。

齋藤秀雄です。再び京都へ戻ってきました。-努力クラブ「家」