壁ノ花団の公演を観るのはこれで2回目。
家族の了解を得て土曜日に行ってきました。

場所は元・立誠小学校の講堂。
暑くて蚊がいっぱいでしたが、雰囲気いいですねここは。
しかも、虫よけスプレー用意してくれていましたし。

さて、お芝居。
瀬戸内にある小島ではないかと思われる舞台、五人の男女がそれぞれ、「私」の話をしながら展開してゆくのは、前回と同じような作り方ながら、どことなく奇妙な設定と人物、茫洋とした感じの登場人物が出てくるさまは、やはり面白い。

45歳の小学校一年生、同じく学校に通おうとしたが間違って用務員になってしまった兄。
その兄弟に「もっと馬鹿になるから」と学校に行かせなかったくせに、死ぬ間際に「学校へ行け」と言い残した母。
一緒に暮らしていた男に部屋の中で泳ぎを習っていた女。
男がいなくなり、男と約束していた島へ流れ着いた女はその島で教員になる。
その女に教員になることを進め、自分は教員を辞めて東京へ行こうとする未亡人。
その女に拾われた以前いっしょに住んでいた男によく似た犬。
そして、前述の「兄」の方を迎えに来た叔母。
この叔母は実は何年も前に死んでいた。

絶妙なくらい変わった人たちを、やはり絶妙な間でみせてくれる。

これは役者の巧さもあるし、演出の巧さ、テキストの巧さでもあるのでしょう。
舞台がシンプルなだけにその巧さが際立っていました。

特に、前回もそうでしたが、内田淳子さんの演技のキレは良かったですね。
長い間彼女のお芝居を観ていなかったことが本当に悔やまれます。
ま、一昨年までは芝居自体ほとんど観てなかったんですがね。

公演終了後、その内田さんが太宰治の「燈籠」を朗読してくれました。
本編同様、間の取り方が絶妙に巧く、シーンのすべて、登場人物の表情までイメージできました。

ほんと、内田さん、さすがでした。
「え、感想の締めはそこですか?」って言われるかもしれないのですが、朗読まで聴いてしまったせいか、彼女のすごさがさらに引きたった感はあります。

いやはや面白かった!また観に行きます。

で、写真は元・立誠小学校の玄関です。

mokichi4516こと齋藤秀雄の再び京都へ戻ってきました。-元・立誠小学校