観てから随分経ってしまいました。先週の土曜日の話です。

昨年サポートスタッフをさせて頂いたすっかりファンになったニットキャップシアターの公演に行ってきました。
なんと寺山作品、しかも映画作品「さらば箱舟」

舞台は・・・・・・・はっきり言って穴。

ステージと客席全体が1m50cmくらい上がっており、そこに大きな穴が開いています。
お芝居はそこで繰り広げられる。

つまりは隔離された世界を穴で表現しております。

うまいなぁ~と思うと同時に、バラすの大変そうだなぁというのが第一印象。

2時間半の大作で、かつ寺山作品でありながら、アングラのドロドロ感をあまり感じさせず、いわばライトアングラとでもいうような感じに仕上げているのはさすがごまさんという感じです。

閉塞感のある田舎の集落での話が穴の中で展開され、穴の外はあの世を現わす。
でもそれは次第次第に前世が穴の中で、あの世が現世にと変わってゆく。

しかし、劇中で役者さん走る走る。踊る踊る。
しかもほとんど穴の中だから、造作にあたるあたる。
実に痛そうだけど、芝居は止まらない。

実に見事。

ちょっと残念だったのが、ラスト前のシーン。
穴の中から、登場人物が現世に召されてゆくシーンなのですが、アイホールの後ろが開いて、外へ退場してゆくという仕掛け。
いわゆる70年代アングラにはお決まりのシーンなのですが、アイホールの開いた外は普通の道なんです。
開いた所に自転車に乗ったお姉さんがいて・・・・あらら・・・

あのシーンで興ざめてしまいました。

おそらく、どうしてもやりたかったのだと思うのですが、無理やりなくても十分素敵なお芝居だっただけにちょっと残念でした。
まあ、それを差し引いてもとてもパワフルで面白いお芝居でしたが。

さて、このお芝居で、実に24年ぶりに劇団の後輩とあいました。
元気そうで何よりでした。
奇しくも舞台監督は清水くん。
後輩は清水君と同回生なんです。いろいろ奇遇・・
お芝居が再会を導いてくれたんだなと思います。

まだまだ再会したい人はたくさんいます。
そのうち会えるでしょうか・・・・・

写真は劇中で花婿募集シーンで配られたチラシです。
「演劇人不可!!!!」がめちゃくちゃ笑えます。

mokichi4516こと齋藤秀雄の京都単身赴任生活-劇中チラシ