70年代中盤、もちろん私は観たことはないが、寺山修司が阿佐ヶ谷駅前で市街劇を行い、一大センセーショナルになったことがありました。

先週土曜日、祇園祭直前の木屋町、先斗町界隈で、まさに市街劇が繰り広げられました。
仕掛けたのは、皆さん良くご存じ岸田戯曲賞作家松田正隆さん率いるマレビトの会。

ひとまず、開演時間前に元・立誠小学校の受付へいきますと、一枚の地図を渡されます。
地図は木屋町・先斗町界隈の地図で1番から12番までのスポットが書かれており、その横にタイムスケジュールが書かれております。
つまりは、その時間にその番号の場所へ行けば何かが起こるというわけです。

で、↓こんな感じで観客は何かが起こるのを待つのです。

mokichi4516こと齋藤秀雄の京都単身赴任生活-マレビトライブ待ち

で、そこで実に普通に芝居がはじまります。
決して、大声を張り上げることはなく、普通の男女の会話のように芝居は進みます。

そして次のスポットへ。

時には↓こんな形で役者を観客が追いかけます。

mokichi4516こと齋藤秀雄の京都単身赴任生活-マレビトライブおっかけ

途中、↓こんな感じで立誠小学校に戻ります。
mokichi4516こと齋藤秀雄の京都単身赴任生活-マレビトライブ立誠

芝居を観ている間は↓こんな具合になります。

mokichi4516こと齋藤秀雄の京都単身赴任生活-マレビトライブ芝居

夕方になると木屋町界隈も人が増え、
「あの~これ何の集会ですか?」とか
「何かの撮影ですか?」とか
「誰か有名人ですか?」とか
観客も他の通行人に聞かれます。
「あの~マレビトライブっていうお芝居で、こうやって街中でやってまして」
と聞かれるたびに観客が応えます。

観ている観客も含めて芝居になってゆきます。

いやはや、すごすぎる!面白すぎる!

途中、演技を終えた役者さんを追いかけてみました。
セリフを話してはいませんでしたが、そのまま演技をしながらぐるっと河原町界隈を歩き、タイミングを観て、決められたスポットに戻ってゆきました。

なんという計算、なんという演出。そして、称賛すべくは役者とスタッフの集中力。
さすが、松田さん、さすがマレビトです。

しかも、芝居もひとつひとつが小さく予想を裏切る展開がありました。
まあ、芝居の中に作・演出である松田さん自身が登場してきたのは、正直かなり笑いました。

3時間役者といっしょに歩きまわった観客は心なしか皆日焼けし、充実感を感じておりました。
「おもしろかったね~」
と口々に感想を話しながら、夕暮れの木屋町へと散会しました。

祇園祭に湧く京都、木屋町に小さなセンセーショナルが巻き起こった土曜の午後でした。