twitter上で、観た人からも、観ていない人から(ありえないけど)も賛否両論ある演劇です。
結論を先に言います。

私は良いと思います。
観てみればわかります。
言い換えば良い取り組み、新しい演劇の形のあり方だと言ってもよいでしょう。

私の固定観念から観ても演劇っぽくありません。
果たして演劇なのか・・・・
いや、やる人たちが演劇と言えばそれは演劇なのです。
それでよいと思います。

そこにストーリー的な展開はありません。
そこに「椅子」「窓」「橋」「レシート」「赤い靴」をモチーフとしたテキストがあり、それぞれの役者がそれぞれの展開をしてゆきます。
そう、まるで詩に舞台上で繰り広げられるシーンが加わってゆくような形。

舞台はシンプルだが黒と白をベースにした美しいもの。

ただ、私としては90分という長さで展開するなら、後半にもう一つ別の展開があってもよいのになと思いました。
その分、間延びしたというか少し物足りない感覚が残りました。

この演劇は学生演劇祭で上演された西一風の「誰?」に新たに新しいテキストを加え、役者も一部入れ替わり、さらに新しい方も加わったものです。

役者のそれぞれの個性も豊かで、強烈なインパクトはありませんが、後でじわーっとくる感覚があります。

この演劇の難点。
それは観る側のイメージが膨らまなければ、全く面白くなくなること。
むしろ、観る側に「楽しもう」という積極的な姿勢がいること。
そこは、当然今後議論の対象になるでしょう。

でも、それを観るのもお客さんの自由なのではないのかなと、最近は思うようになりました。
いろいろな芝居の形があればいい。
私はそう思います。

小劇場演劇がある程度認められている時代だからこそあって良い形だと思うのです。

ラストシーン、4つの窓から、4組の男女がそれぞれの方向を覗きます。
「あ、雨・・・」

私はこのシーンが好きです。

今日は楽日です。
ご興味ある方はぜひご覧ください。

写真は夜のアトリエ劇研です。
mokichi4516こと齋藤秀雄の京都単身赴任生活-夜のアトリエ劇研