随分更新をさぼってしまいました。
さて、先週末日曜日と月曜日の午後、西一風の後輩たちの演劇ユニットであるtabula=rasaの公演のお手伝いをしてきました。
お手伝いと言っても、受付とバラシをしただけですが。

tabula=rasaの公演はとても実験的な演劇です。
演劇なのかパフォーマンスなのか朗読なのか・・・・でもやっぱり演劇なのでしょう。
今回は前田愛美さんが用意したテキスト、これは誰かの日記らしいのですが、これを演劇として展開していました。
テーマは「強方向」
たとえば、人間はいくつもの感情を持ち合わせています。
そのいくつも同時発生する感情のひとつの感情を強く押し出す。
そういったことを言うそうです。(理解が違っているかもしれません・・・)

とても難解ですが、ひとつひとつの動きがしっかり計算されていて、それぞれがちゃんと絵になっているおもしろい演劇でした。
しかも、毎回公演ごとに演出が手を入れるので、楽日にはかなり違う作品になっておりました。
ものすごくおもろしい作品でしたので、もっとたくさんに人に観て頂きたかったなと思います。

ただ、この作品一点難点があります。
観る人にそれなりのスキルが必要なのです。
しかも、劇場に来場すると言う能動性に加えて、さらに能動的に理解していかなければ観れない作品です。
言ってしまえばとても観客に不親切な作品ともいえます。

そういう意味では、この作品は芝居ではなく、演劇作品なのでしょう。

私は西一風草創期に「我々は演劇をやるのではなく、もっと一般の人が理解できる芝居をやるのだ」というメッセージを発信していましたが、そういった活動とは真逆にある作品です。
西一風からこういった作品を産むユニットが誕生しているのも大変おもしろい話です。

でも、もう少し観客に優しくてもいいんじゃないかなと私は思います。

さて、tabula=rasaのメンバーとは、今までになく長い時間を共にし、お手伝いをさせて頂きました。
正直、おっさんが一人若者に交じっていましたので、彼らとしても何らかの違和感があったかもしれません。
ただ、彼らには大変申し訳ないのですが、私は本当に楽しい時間を過ごさせて頂きました。

作品を作りだすその瞬間を共有できるってなんていいんでしょう。
ずーっとテンション上がりまくりでした。
おかげでなかなか現実に戻ることができませんでした。

京都でも独創的な演劇活動を行っている若者たちがたくさんいます。
しかし、一方で演劇青年たちの生活はやはり皆一様に厳しいものです。
20年以上打経ってもそれはなんら変わっていません。
でも彼が日本の演劇界の底辺を支えています。

大震災でそれどころではありませんが、もっともっと若者の創造的な活動を支える支援も考えてゆきたいですね。

写真は今回の公演のチラシです。
おっさんには字が小さすぎでした。

mokichi4516こと齋藤秀雄の京都単身赴任生活-tabula=rasaチラシ